救急災害医療C 基本設計でプロポ 延べ2・1万平方m、150床(千葉県病院局)
[2017/4/29 千葉版]
千葉県病院局経営管理課病院建設室は、県総合救急災害医療センター(仮称)の建築工事基本設計業務について28日、公募型プロポーザル方式に係る手続開始を公告した。県救急医療センターと県精神科医療センターを一体的に新たな病院として建設するもので、参加表明書の提出を5月17日まで受け付け、6月中旬に面接を実施する方針。29年度で基本設計、30年度で実施設計を完了させ、31~33年度で新病院を建設する予定だ。
県救急医療センターと県精神科医療センターの一体的整備には、29年度予算に1億8500万円を計上。内訳は、基本設計委託料が8000万円、地質調査や測量などの委託料が8700万円。これらのほか、同日に企画提案募集の手続きが開始された(仮称)千葉県総合救急災害医療センター基本運営計画策定に係る業務委託についてが1800万円。
県救急医療センターと千葉県精神科医療センターは、それぞれ昭和54年、60年に建設され、重症患者に対する救命救急処置や精神障害者に対する迅速、適格な精神科医療を提供しているが、施設の老朽化、狭隘化といった課題を抱えている。また、県精神保健福祉センターは、地域住民の精神的健康の維持増進等を図るため、昭和46年に開設され、施設は40年以上が経過している。
公募型プロポーザル方式で今回委託する業務は、28年度に策定した県救急医療センター・精神科医療センターの一体的整備に係る基本計画を踏まえ、県救急医療センターと県精神科医療センターの一体的整備により、新病院として県総合救急災害医療センター(仮称)を建設し、併せて県精神保健福祉センターを合築する基本設計。
建設予定地は千葉市美浜区豊砂6-1ほかの敷地面積約4万2000平方m。ここに延べ床面積約2万1000平方mの病院(150床)を建設する計画。なお、新病院の完成後の34年度以降には、既存の建物(延べ面積約2万200平方m)を解体する。
技術提案書の提出者に要求される主な資格は、一級建築士事務所の登録を受けている者であることなど。管理技術者及び総合分野の主任担当技術者については、19年4月1日以降に基本設計を含む設計業務委託の契約履行が完了した、新築または増築部分において、精神病床を有する救急告示病院またはそれに準ずる病院のうち、病床数150床以上または延べ面積2万平方m以上の設計業務に携わった実績も求める。
審査では、選定委員会による面接を1者あたり20分程度の予定で行う。委員会は委員長の矢島鉄也県病院局長、委員長職務代理者の藤田厳県副病院局長以下、山本修一千葉大学医学部附属病院長、安藤正雄同大学名誉教授、廣田直行日本大学生産工学部教授、嶋津伸一国土交通省東京第二営繕事務所長、小林繁樹県救急医療センター病院長、深見悟郎県精神科医療センター病院長、山崎晋一朗県病院局技監、小湊宏明県土整備部営繕課長で構成。
技術提案を求める課題は次の通り。
▽課題1=高度救命救急センターと精神科救急医療センターの一体的整備による、身体救急、精神科救急及び身体・精神科合併救急の患者の受け入れに加え、精神保健福祉センターとの連携強化を図るための機能性を重視した配置や動線計画等の配慮が必要と考えており、設計上の考え方及び対応について提案する
▽課題2=県の救急医療における最後の砦として、将来的な医療環境の変化に対応しながら、高度・先進的な救急医療を提供すること、大規模災害時には、基幹的な災害医療拠点として種々の災害医療を提供すること、教育・研修機能を充実していくことが必要となり、設計上の配慮事項及び対応について提案する
▽課題3=県の推進する施策(施設の長寿命化、建設・維持管理コストの縮減、環境負荷低減)などへの配慮事項及びその他提案者が特に必要と考える事項について提案する。なお、コストの縮減については、設計においてどのようにコントロールしていくのかを含めて提案する
▽課題4=救命救急、精神科救急、災害医療を一体的に提供するとともに、精神保健福祉センターの行政機能を併せ持ち相互に連携する新しい形の施設であることから、適切に設計要件を掘り起こし、それを施設関係者へ提示し設計に反映させることが求められ、施設関係者と設計者などのコミュニケーションを充実させる必要もあり、具体的な実施方針を提案する