新庁舎 基本・実施設計でプロポ 建替に32億円見込む(千葉県柏市水道部)
[2017/5/2 千葉版]
庁舎再整備の検討作業を進めている千葉県柏市水道部は、4月に策定した庁舎再整備基本計画を1日公表した。概算工事費として32億円を見込んでいるもので、同計画に基づき29年度は、プロポーザル方式による設計業務の発注を予定している。
基本計画では、基本構想に基づき、新庁舎の整備方針、導入する機能、施設規模や配置計画、事業手法、概算工事費、事業スケジュールなどについて検討。基本コンセプトを▽強靭:災害対策拠点を確保する▽安全:ライフラインとして、水を安定供給できる体制を確保する▽持続:環境にやさしく、コストを抑制した施設とする──とした。
整備場所は、現在の水道部庁舎敷地である第一水源地(敷地面積約4310平方m)。現地建て替えとし、現庁舎を使用しながら建設工事を実施できるよう、敷地南側(現ポンプ棟の位置)に建設することとした。
新庁舎の構造・規模には、4階建て延べ約4500平方mを想定。水道事業財政への影響と庁舎の早期耐震化を考慮し、庁舎建設における事業手法は、従来型手法(公共事業方式)とするとしている。
発注方式は、事業手法を従来型手法(公共事業方式)とした場合、採用可能性のある発注方式が従来型発注方式(設計施工分離発注方式)、DB方式、ECI方式などとなる。
▽早期の事業完了を目指したいが、事業者選定(要項書作成、提案書作成、審査等)に時間を要すると考えられる▽工法等に施工技術面での特殊性を求める規模・機能の建物ではない──の観点から、DB方式等のメリットが十分に活かせることは考えにくいため、従来型発注方式(設計施工分離発注方式)を選定することとした。なお、今後の設計業務の発注にあたっては、民間の知見を活用するため、プロポーザル方式で事業者選定を行う。
水道部の新庁舎としては4階程度(約4500平方m)あれば十分であることから、第一水源地の用途上は、土地の持つ容積率に余裕がでることとなる。このため、容積率未消化分の敷地面積については活用の余地が残されることになるが、庁舎の建て替えを最優先で必要があることから、当面は敷地北側を平面駐車場として整備した上で運用しつつ、将来的な課題として時機をみて、駐車場の立体化などとあわせた有効活用策をあらためて検討することとする。
敷地の有効活用としては、現段階では、民間への売却や貸付による住宅系利用等が想定されるが、具体的には事業化に向けた検討の際に、時期に応じた社会的な背景等も含め、民間事業者の提案なども受けながら、あらためて整理し直すものとする。
これまでの検討を踏まえた概算事業費は32億1500万円。なお、事業費については、基本設計において構造等の条件が決定した上で、実施設計において再度検討する。また、金額及び内容は現時点のものであり、人件費や材料価格に変動があれば影響を受けることに留意する必要がある。