漁集事業が発注山場 28地区に集落道や水産用地 工事費12億円(南三陸町)

[2017/4/8 宮城版]
 本吉郡南三陸町は、漁業集落防災機能強化事業で、沿岸部の28地区に集落道や避難路、水産関係用地などを整備する計画で、総事業費に約29億円を試算している。財源は復興交付金を活用する。事業費ベースの進捗率は現時点で10%程度に留まっている。本年度は工事費に11億7880万円を予算計上した。担当課の建設課は10件以上の工事入札を予定しており、発注がピークを迎えそうだ。

 漁集事業を進めるのは▽港▽田の浦▽石浜▽名足▽中山▽馬場▽泊浜▽稲淵▽館浜▽伊里前▽寄木▽韮の浜▽細浦▽清水▽荒砥▽平磯▽袖浜▽大久保▽林▽折立▽水戸辺▽在郷▽波伝谷▽津の宮▽滝浜▽藤浜▽長清水▽寺浜──の28地区。一部の地区で工事に着手しているが、終わったところはない。

 集落道は、14地区に19路線を整備する。延長は、最も長い路線で100m程度。幅員は4mを確保し、アスファルト舗装で仕上げる。

 避難路は、16地区に23路線を整備する。この中には階段も含まれる。延長は、もっとも長い路線で200m程度。短いものでは十数mの路線もある。幅員は2mで、歩行者専用の避難経路となる。

 水産関係用地は、21地区に整備する。1地区あたりの面積は2000~3000平方m程度。震災で地盤沈下したため、当初はかさ上げする予定だったが、周辺の道路状況などに合わせるため、それほどかさ上げが必要な箇所はないと見ている。盤面はアスファルトで仕上げる。完成後は漁業者に土地を貸し、漁具などの置場に使ってもらう。

 このほか、数カ所の排水路を復旧する。集会施設用地については、荒砥地区の1カ所で400平方mを造成済み。今後、地区住民が集会所を建てることになる。

 工事は、地区ごとに発注する場合や、数地区をまとめて発注する可能性もある。担当の建設課では、本年度にできるだけ工事発注したい意向を示している。まずは月内に2~3件を入札公告する見込み。

 予算には、漁集事業の工事積算等支援業務委託費に2億9993万円も計上した。今後、29年度分の同業務を委託する。昨年度の同業務は三協技術(仙台市青葉区)が担当した。

 すでに工事の一部に着手した地区は▽田の浦▽石浜▽名足▽水戸辺▽寄木▽韮の浜▽滝浜▽藤浜▽寺浜▽林▽長清水──の11地区。

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