夏に掘削、本格工事開始 北浜地区の下水道復旧 設備工は30年度(塩竈市)
[2017/4/15 宮城版]
塩竈市北浜地区の下水道災害復旧工事が29年度、本格化する。建設地の公園で、夏に地下調整池(貯留量5000立方m)を設置するための掘削工事と、既設ポンプ場への圧送管の開削工事が始まる。エム・テック(仙台市青葉区)の一括施工で、30年度に設備工事が進められる。
同地区事業は、国道沿いの都市公園に地下式調整池を新設する。工事費は約22億円。工期は30年度末まで。28年度末から準備工事を進め、夏に掘削工事に着手し、土木工事が本格化する。施工面積は約1200平方m。地下約10mまで掘って、調整池を設置する。
掘削に並行して、藤倉雨水ポンプ場に圧送する雨水管の開削工事も始まる。口径は400mmで、2本並列して延長約250mを敷設する。調整池への流入管は、最大口径1650mmの推進工(延長600m)と開削工(765m)で、30年度着手を見込む。
調整池は、プレキャスト製を組み立て、設置後の30年度にポンプ設備の工事着手を見込んでいる。ポンプは計5台で、口径300mm4台と80mm1台を設置する。同事業の設計は、調整池、管渠とも極東技術コンサルタント(東北事務所・仙台市泉区)がまとめた。
市は、藤倉雨水ポンプ場から海に放流する既設管渠の改修の検討も開始。放流口に工作物が無いため、流末の断面を確保し、将来災害に備える考え。防潮堤の工事進捗に合わせ、県との調整を始め、29年度中に計画、設計に着手する。
同年度以降は別途、調整池に接続する枝線築造工やU型側溝工を発注する見通し。
10年は満たさず
市の雨水下水道は、復興事業で、6年確立降雨の時間当たり44.5mmが整備される。総事業費は約125億円を見込み、5地区で雨水ポンプ場や雨水管の新設などを進めてきた。29年度末には全地区でおおむねが完了する。越の浦地区事業は年内完了を見込む。
復興事業は、地盤沈下による浸水対策で、整備後の市の10年確立降雨(52.2mm/h)に対する整備率までには達しない見通し。整備率は事業完了後に試算する見込み。