吉田川で床上浸水対策 本県事業費が1781億円(東北整備局29年度予算)
[2017/4/1 宮城版]
東北地方整備局は31日、国の予算が成立したことを受け、29年度の事業概要を公表した。同局関連の予算総額は9478億円で、前年度比2.1%増。大震災以降は予算額が年々増えている。本県の事業費は1781億2200万円で、同3.3%減。県内の新規事業では、鳴瀬川(吉田川)の床上浸水対策特別緊急事業に直轄と補助を合わせ10億2000万円の事業費が配分された。29年度から河道掘削などを進める。
本県事業費の内訳は、国交省計上分の直轄事業が134億3200万円、補助事業が594億5100万円、復興庁計上分の直轄事業が542億3200万円、補助事業が510億0700万円。
吉田川の床上浸水対策は、27年9月の関東・東北豪雨で被害を受けたことから、黒川郡大和町と大衡村の同川上流部で、河川改修を進める。改修内容は河道掘削や築堤、遊水池の整備など。29年度予算の内訳は直轄が5億2000万円、補助が5億円。
直轄区間は総事業費が128億円で、34年度の完成を目指す。29年度は河道掘削を行う。補助区間は総事業費が64億円で、県が33年の全体完成を目指して事業を進める。29年度は河道掘削や護岸工、用地取得を予定している。
県内の新規事業ではこのほか、阿武隈川下流の下名生地区河川改修事業、鳴瀬川総合開発事業、国道4号交通安全対策(田沢交差点改良)、仙台塩釜港仙台港区ふ頭再編改良事業に予算が計上された。
このうち、鳴瀬川総合開発事業は、加美郡加美町で筒砂子ダムを新規に建設するほか、既存の漆沢ダムにトンネル洪水吐を新設して容量を再編する。29年度は、実施計画調査段階から建設段階に移行し、11億4600万円を投じてダム本体関連の調査・測量、設計などを進める。
仙台港区のふ頭再編改良事業は、コンテナ貨物量と航路便数の増加に対応するため、既存岸壁を延伸整備し、コンテナターミナルを拡張・再編する。29年度は1億2000万円を投入し、調査設計などを行う。
県内の継続事業では、復興庁計上分で、三陸沿岸道路の南三陸道路に35億3200万円、歌津本吉道路に127億3000万円、本吉気仙沼道路II期に28億円、本吉気仙沼道路に38億5000万円、気仙沼道路に111億5800万円、唐桑高田道路に63億5000万円を盛り込むなどした。