稲毛海浜公園 民活導入で再整備 4月初旬に公募プロポ(千葉市)
[2017/3/25 千葉版]
千葉市都市局公園管理課は24日、美浜区内の稲毛海浜公園に民間活力を導入し、海辺を生かしたリニューアルを図るため、4月初旬にも公募型プロポーザル方式で事業者の募集を開始することを明らかにした。6月中~下旬の優先交渉提案の決定を目指すとしている。市では28年3月に策定した「海辺のグランドデザイン」を踏まえた提案により、同公園のリニューアルを図りたい考えだ。
この「稲毛海浜公園施設リニューアル整備運営事業」は、公園の持つ都市型ビーチなどのポテンシャルを最大限に生かし、より魅力的でにぎわいの場となるよう民間事業者から事業の提案を募集するもの。開園から40年以上が経過し、施設の老朽化も進んでいることから、豊富な経営ノウハウを活用して施設の整備と一体的な管理・運営による再整備を図るのが狙いだ。
公募型プロポーザルは法人または複数の法人の連合体を対象とする予定で、募集の条件として市は「海辺のグランドデザイン」を踏まえた上で、公園全体の活性化につながるものとし、事業期間を20~30年(協議により決定)に設定。事業に伴う費用は基本的に事業者が負担するのに対し、収益は使用料を除いて事業者の収入とし、市の費用負担については提案内容に応じて協議、決定するとしている。
市では公園全体を活性化させる提案を求める考えである一方で、公園の魅力向上につながるものであれば、施設の整備や管理運営を一定のゾーンに対して自由に提案することも認める方針。より多くの来園者でにぎわうような施設の構成とサービス内容に改善していきたいとした。
募集スケジュールを見ると、4月初旬の募集要項公表に続き、同下旬には稲毛海浜公園で現地説明会を実施。5月上旬から6月上旬にかけて提案書を受け付け、6月の中~下旬にヒアリングと有識者による評価を経て優先交渉提案を選定し、7月以降に詳細協議した上で基本協定の締結を見込む。市は詳細協議の対象となる提案は1件には限らないとする一方、協議段階の調整で不採用になることもあるとしている。
昭和52年に設置された稲毛海浜公園は約83ha(水域含む)の規模。前年にわが国で初めて造成された人工海浜「いなげの浜」を持つとともに、三陽メディアフラワーミュージアムや海水浴場、大型レジャープール、ヨットハーバーなどを有している。
「海辺のグランドデザイン」では、3つの人工海浜(いなげ、検見川、幕張)と2つの海浜公園(稲毛、幕張)が市固有の地域資源と定め、20~30年先を見据えた活性化の方向性を示すものとなっている。
その実現に当たっては▽民間活力の導入▽既存ストックの活用▽参画の促進と支援──の3つを視点に据え、先行事例として稲毛海浜公園内の検見川地区を対象に事業者を募集し、(株)ディアーズ・ブレイン(東京都港区)の提案が選定され、結婚式場やレストランなどが整備されている。