新焼却施設でアセス概要書 11月めどに整備手法(千葉県我孫子市)
[2017/3/15 千葉版]
新廃棄物処理施設(焼却施設)の建設を計画している千葉県我孫子市は14日、県条例に基づき作成した「クリーンセンター整備事業」に係る環境影響評価概要書を公表した。31年度から新廃棄物処理施設の設計に着手するなどの工程が盛り込まれており、30年度までの3カ年で進める環境影響評価業務は国際航業(東京都千代田区)に委託している。同業務と併行して28年度に同社に委託したPFI導入可能性調査業務は、29年度に繰り越す方向。3月中には庁内組織として、新廃棄物処理施設整備運営方式等検討委員会を設置し、PFI導入可能性調査業務の成果も踏まえ、計4回の委員会で11月末までに整備手法を固める考えだ。
同事業で整備する施設の能力(日量)をみると、炉形式が連続燃焼式ストーカ炉の新廃棄物処理施設(可燃ごみ等の焼却処理)は、約120t(約60t×2炉)。リサイクルセンター(破砕処理施設及び資源化施設)が約27t。対象事業実施区域は、クリーンセンターとして現在利用されている区域であり、現在のクリーンセンターの稼働を継続しながら、段階を踏んで実施する計画。
まず、新廃棄物処理施設は、現在のクリーンセンターの敷地を分断する市道を廃止して一団の土地とした後、敷地の南側に約8000平方mの整形地を確保し、一部建屋等を移設・撤去(第一段階)し、整備(第二段階)する。次に、現在の焼却施設等を移設・撤去(第三段階)し、その跡地にリサイクルセンターを整備(第四段階)する。
約2万9300平方mの土地利用計画は、建築物として新廃棄物処理施設が約4500平方m、リサイクルセンター(ストックヤード含む)が約3250平方m、計量棟が約250平方m。ほかに、構内道路、駐車場等が約1万8100平方m、緑地が約3200平方m。28年度には国際航業に、新規焼却施設詳細配置計画作成業務を委託している。
昭和48年に稼働したクリーンセンターは、ストーカ方式による処理能力(日量)が1号炉90t、2号炉105t。年間約2万9000tの可燃ごみ等を処理する市内で唯一の焼却施設。これまで炉の増設や基幹的施設整備事業による機能回復工事、ダイオキシン類対策工事を実施してきた。
しかし、稼働から40年以上が経過し、老朽化による故障リスク、維持管理費用が増大しており、同市の安定的なごみ処理の維持が難しい状況にある。また、昭和52年稼働の破砕処理施設と同57年稼働の資源価値向上施設も老朽化が進んでおり、いずれも新たな施設の整備が必要な状況となっている。