湾岸蘇我改良 塩田町~問屋町5km 6車線化に265億円(関東地整)

[2017/3/14千葉版]
 国土交通省関東地方整備局が13日開催した社会資本整備審議会道路分科会関東地方小委員会で、29年度新規事業候補箇所の▽国道20号日野バイパス(延伸)II期▽国道357号湾岸千葉地区改良(蘇我地区)──の2事業についての審議が行われ、いずれの新規採択にも同意することを決めた。今後は同分科会の事業評価部会(本省)で審議される。2事業のうち国道357号湾岸千葉地区改良(蘇我地区)では、千葉市中央区塩田町~問屋町の延長約5.0kmについて、現況の4車線を6車線に拡幅する計画だ。事業費として約265億1600万円を見込んでいる。

 同局では、公共事業の効率性や、その実施過程の透明性の向上を図り新規事業採択時評価における意見をきくため、28年度第3回の同委員会(委員長.屋井鉄雄東京工業大学環境・社会理工学院教授)を東京都千代田区の九段第3合同庁舎15階会議室Cで開催した。

 審議に先立ち同局道路部の村山一弥部長は、新規採択評価の審議を依頼する2つの事業について、いずれも物流を支える大幹線道路であり、激しい渋滞を改善するための事業と説明して、慎重な審議を願ってあいさつに代えた。

 国道357号湾岸千葉地区改良(蘇我地区)については、同省千葉国道事務所の八尾光洋所長が説明。6車線化する延長約5.0km区間は第4種1級、設計速度は時速60km。一般部の幅員は43m、蘇我陸橋部の幅員は50m。

 全体延長のうち、土工延長が4.9km、橋梁延長が0.1km。一般部幅員の内訳は車道3.5m×6、中央分離帯5.0m、自転車通行帯1.5m×2、側道(千葉市道)5.5m、歩道3.0m+2.0m、植樹帯1.5m×2など。蘇我陸橋部は、車道3.5m×6、中央分離帯2mなどの左右にそれぞれ、車道3.0m×2、自転車道3.0m、歩道2.5mなどが配置される。

 昭和44年5月に都市計画決定された後は、平成27年10月に県移動性向上プロジェクト委員会を開催したほか、29年2月には県湾岸地域渋滞ボトルネック検討ワーキンググループを開催。

 地元地域の千葉市では27年7月以来4回にわたり、熊谷俊人市長が新規事業化に向けて国土交通大臣や財務大臣等と面談し要望を行っている。それによると、国道357号は、東京湾に接する主要都市を結び、国際空港や国際戦略港湾などの物流拠点、オフィス.レジャー施設へのアクセスなど、産業.生活両面において不可欠な幹線道路となっており、企業の多くが同国道を利用して経済活動を行っている。

 交通円滑化を目的として15年度に事業化された同国道湾岸千葉地区改良(L5.6km)は、28年10月に全線が6車線化され、主要交差点で発生していた渋滞が緩和し、旅行速度が1.5倍に上昇。また、供用後は救急搬送時間が約3割短縮され、救急救命活動にも大きく貢献する効果がみられたとしている。

 一方、供用した湾岸千葉地区改良の延伸部である蘇我地区(L6.2km)では、主要渋滞箇所が連担し、その平均旅行速度は供用した区間や市原地区と比べ著しく低くボトルネックとなっており、輸送に時間を要することから生産性が低下し、企業の経済活動の妨げとなっている。

 同市では、地方創生の実現や地域経済の好循環のため、臨海地域において企業の設備投資の支援を積極的に進めており、供用した湾岸千葉地区改良の整備効果と一体となって輸送時間.通勤時間の短縮や定時性.速達性が確保され生産性が向上するなどのストック効果が期待できることから、国と連携し全力を挙げて取り組む姿勢であるとして、蘇我地区の新規事業化を要望してきた。

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