東松戸まちづくり用地の活用 事業者公募へCM業務(千葉県松戸市)
[2017/3/10 千葉版]
千葉県松戸市公共施設再編課が計画している東松戸まちづくり用地の利活用は、市の公共施設再編整備推進審議会で基本構想のとりまとめが進んでいる。同用地(旧紙敷土地区画整理65街区)に公共施設と民間施設を一体的に建設する計画で、4月中旬~下旬に基本構想が完成する見通し。これを踏まえコンストラクション・マネジメント(CM)業務を外部委託して全体のマネージメントについて支援を受け、29年度で事業者選定の公募型プロポーザルを開始する予定だ。
CM業務で委託する予定の内容としては、事業者選定に向けた▽評価・審査など▽公募条件の整理▽プラニングの検討──など、全体マネージメント支援を想定。
29年度予算案にはまちづくり用地活用事業として、東松戸まちづくり用地活用事業プロポーザル審査委員会委員報酬12万8000円(5人分)のほか、まちづくり用地(旧65街区)活用事業支援等業務委託料888万4000円を計上している。
予算案が提案された市議会定例会の開会にあたり本郷谷健次市長が表明した29年度の施政方針では、「東松戸駅周辺では、旧65街区のまちづくり用地について、図書館や支所機能などをあわせ持った複合施設の整備を行う事業者を選定するため、コンサルティング業務を委託するとともに、新たなまちづくりのための調査を実施する」としている。
公共施設再編整備推進審議会は、公共施設再編整備事業に関し、市長の諮問に応じ、公共施設再編整備基本計画の策定▽公共施設再編整備基本計画の効果的な推進──に関する事項について調査審議する。会長は柳澤要千葉大学大学院工学研究科教授、副会長は藤村龍至東京藝術大学建築科准教授。
基本構想は同審議会の正副会長に特命の随意契約で委託している業務の中で案を作成しているもので、基本構想の検討のほか与条件の整理、関連イベントの運営などが主な委託内容。2月16日に開催された第6回松審議会では、基本構想(案)の骨組みとなる目次が示されたが、施設整備の方向性(施設に求められる機能、施設整備のあり方と目指すべき方向、施設規模及び計画概要)などについての具体的な検討には至らなかった。
28年11月に開かれた第5回同審議会で配布された資料では、個別事業の1つに東松戸まちづくり用地活用事業が取り上げられ、事業実施方針の案が示された。それによると事業用敷地は東松戸2-14-4ほかの面積約2876平方m。ここに期間が30年の定期借地権を設定し、事業者が賃借。事業者は公共施設及び民間施設、その他施設を設計、建設、維持管理する。施設は竣工時には事業者の所有となり、これらのうち同市は公共施設部分を賃借または買い受けするという事業スキームを想定している。
事業の対象とするのは、公共施設が[1]図書館[2]行政サービス窓口[3]集会・多目的スペース[4]保育・地域育児スペース。民間施設の用途は、基本構想うぃ踏まえ事業者が提案するが、住宅や倉庫、青少年に有害な影響を与える興業・物販・サービスについては認めない。ほかに、公共施設、民間施設利用者のための駐車場などを整備する。
公共施設部分を事業者から賃借する場合、市は施設建設に係る初期投資相当分(公共施設部分の設計、建設等)、維持管理業務の対価として、契約期間中にわたり賃料と維持管理費として支払う。
公共施設部分を事業者から取得する場合、市は施設建設に係る初期投資相当分(公共施設部分の設計、建設等)を引き渡し時に一括して支払うとともに、維持管理業務の対価(修繕積立金を含む)、その他業務費を契約期間中にわたり支払うことを想定している。
28年度にはこのほか、4月と5月の2期に分けてサウンディング調査を実施して、5社程度との対話が行われた。対象地の都市計画による制限は、用途地域が第2種住居地域と第1種中高層住居専用地域で、いずれも建ぺい率60%、容積率200%。第1種高度地区で、現況は更地となっている。