土木部29年度事業 予算額2435億円 復興公園 本格造成へ(県議会)
[2017/3/10 宮城版]
県議会2月定例会の予算特別委員会が9日に開かれ、建設企業分科会など6分科会で29年度予算案などを審議した。土木部は建設企業分科会で、29年度に実施する事業内容と予算案を説明。再生期最後の年に「復興・創生 加速化 実行予算」と銘打った予算案2435億4824万円を計上した。石巻南浜津波復興祈念公園の整備や三陸自動車道の延伸などを重点的に取り組む構えだ。
土木部が計上した予算案は、一般会計が前年度比21.1%減の2255億7621万円。一般会計の総額1兆2249億6216万円に占める割合は18.4%。流域下水道事業など特別会計は3事業で計179億7203万円(同0.6%増)。
復興が進んだことで災害復旧事業は51.8%減となるが、復興交付金や社会資本整備総合交付金などで実施する復興事業は21.6%増加する見込み。引き続き防潮堤や多重防御施設、防災道路ネットワークの整備などを推し進める。
土木部は29年度の基本目標として、[1]壊滅的な被害を回避する粘り強い県土構造への転換[2]いつまでも安心して快適に暮らすことができる生活基盤の整備[3]かつてない賑わいや活力に満ちた東北の発展と宮城の飛躍を支える交流・産業基盤の整備──の3つを掲げた。
[1]の「壊滅的な被害を回避する粘り強い県土構造への転換」には、予算額1425億円を計上した。防潮堤などの災害復旧事業は、年度末までに箇所ベースで99%の完成を目指す。
石巻市南浜地区に国と石巻市とともに共同整備する津波復興祈念公園について、29年度から造成工事に本格着手する。復興まちづくりを支援する道路整備として、南三陸町の泊崎半島線の泊崎地区、女川牡鹿線の谷川浜地区など6路線11箇所の整備完了を目指す。噴火が懸念される蔵王山の対策では、融雪火山泥流に備えて松川(蔵王町)の氾濫対策を進める。
[2]の「いつまでも安心して快適に暮らすことができる生活基盤の整備」には、290億円を計上。災害公営住宅の整備では、年度末までに98%にあたる1万5700戸の完成を目指す。都市計画道路の整備では、都市基盤の骨格をなす並柳福浦線(大崎市)など5路線5カ所の整備促進を継続し、新規に小池石生線(村田町)と稲葉小泉線(大崎市)の調査設計に着手する。
[3]の「かつてない賑わいや活力に満ちた東北の発展と宮城の飛躍を支える交流・産業基盤の整備」には、410億円を計上。国が直轄事業として進める三陸道・南三陸道路と本吉気仙沼道路の整備を支援するとともに、ネクスコ東日本が整備する常磐自動車道・山元インターチェンジ(IC)~岩沼IC間の4車線化を支援する。
道路事業ではみやぎ県北高速幹線道路・中田工区の供用を29年度中に見込む。国道398号石巻バイパスの整備では、大瓜工区の供用も目指す。コンテナ貨物取扱量が増える仙台港では、高砂コンテナターミナルの拡張や高砂3号岸壁の整備に取り組んでいく。
■県土木部 29年度予算案 各課別内訳
種別 | 課 名 | 予算額 | 28年比(%) |
一般会計 | 土木総務課 | 46億6406 | 3.4 |
事業管理課 | 2億7388 | 4.4 | |
用地課 | 1億3998 | ▲5.0 | |
道路課 | 738億1961 | 19.0 | |
河川課 | 212億5138 | 5.9 | |
防災砂防課 | 684億4993 | ▲51.7 | |
港湾課 | 294億0574 | ▲10.9 | |
空港臨空地域課 | 7億4320 | 31.0 | |
都市計画課 | 213億0654 | 44.1 | |
下水道課 | 24億5731 | 1.3 | |
建築宅地課 | 4億4177 | ▲15.5 | |
住宅課 | 23億4700 | ▲59.4 | |
営繕課 | 1億7968 | ▲5.8 | |
設備課 | 9608 | ▲0.4 | |
合計 | 2255億7621 | ▲21.1 | |
特別会計 | 土地区画整理事業 | 1億4686 | ▲8.4 |
流域下水道事業 | 105億7752 | ▲0.8 | |
港湾整備事業 | 72億4763 | 3.0 | |
合計 | 179億7203 | 0.6 | |
総合計 | 2435億4824 | ▲19.8 |
※1万円未満切り捨て