道の駅しょうなん 再整備初弾に駐車場 建築工は30年度(千葉県柏市)
[2017/3/4 千葉版]
道の駅しょうなんの再整備を計画している千葉県柏市農政課は、29年度予算案に設計費と工事費合わせて2億1351万6000円を計上した。1月に委託した基本設計を6月30日までの工期で完了させたあと、実施設計を別途進める方針で、29年度に発注する初弾工には駐車場整備を予定。建築工には30年度に着手する見通しだ。造成や調整池の築造などの着工時期は、基本設計を進める中で固めていく。
再整備する駐車場は既存分も合わせ、小型車400台、大型車59台分を確保する方針で、面積として2万400平方mを想定。基本設計業務の委託にあたり28年10月に策定した再整備基本計画によると、道の駅利用者数に応じた規模と車種、利用目的に配慮した駐車場をするほか、事業者の利便性に配慮した専用駐車スペースを確保し、場内の歩行者の安全性に配慮。路線バスの停留所、観光バスの一次停車帯としての停留場も確保する。
基本設計業務については公募型プロポーザルで、業務受託者としてナスカ(東京都新宿区)を選定。約4万8000平方mを対象に再整備を行うもので、仕様書に設計与条件として示された建設条件では、変更の可能性があるとしているが、29年11月~32年12月までの予定建設工期の予定工事費(税抜き)が17億2000万円となっている。
同業務は、「農業や観光・レクリエーションの振興による環境共生・交流の地域づくり」における地域交流拠点となる同道の駅の再整備基本設計が対象。再整備の対象は、箕輪新田59-2地先(敷地面積4万8030平方m)。ここに軽量S造で、既存施設含めた延べ床面積4190平方mの施設などを整備する。設計対象となる工事項目は、再整備に伴う建築工事、電気・機械設備工事各一式、再整備に伴う造成・外構工事一式。
産業振興・農業振興につながる機能を有する施設、観光振興と交流の促進につながる機能を有する施設を再整備することとしており、これらの施設のほかは、流通研究所(神奈川県厚木市)に28年度に委託して策定した再整備基本計画の通りとしている。
基本計画では、同道の駅の現状と課題を分析し、再整備の目的として[1]敷地の拡大[2]機能の強化[3]連携体制の強化──を整理。農業振興・地域振興のための機能の充実を図るとともに、地域の情報を集積し、来訪者を誘引し、地域全域に拡散する機能や、時代のニーズに応え、「もの」を「コンテンツ」に変化させ、創出する機能を備え、より地域経済活性化と地方創生を牽引する拠点とするため、▽情報発信・集積▽食と農の体験▽賑わいと交流創出──のゾーンごとにコンセプトを定め、次のように道の駅を再整備するとしている。
▽情報発信・集積ゾーン=[1]手賀沼周辺地域の情報を集め、編集し、コンテンツとして発信する情報発信・集積するゾーンとして位置付ける[2]手賀沼を活かしたアクティビティ(ランニング、スポーツサイクル、カヌー等)に対応したスペースを確保する[3]既存施設を改修し、軽食・テイクアウト機能、フードコート(レストラン)機能、休憩機能、情報発信機能、トイレ等の機能を再整備する[4]県有地の駐車場は、大型車駐車場に特化し、トラック、観光バスの駐車スペースとする。市有地の駐車場はレンタサイクルをはじめとしたサイクルポート・駐輪場として整備する
▽食と農の体験ゾーン=[1]手賀沼周辺を中心に市全体の農産物等の販売、地域食材を使った食事の提供、地域の農畜産業や新たな農業の体験のできるゾーンとして位置付ける[2]農家レストラン(民間事業者)、農産物直売所、加工体験施設、加工施設、展示ほ場、オープンスペースを整備する[3]道の駅の中心ゾーンであり、来訪客はこのゾーンを通り、他のゾーンに移動する導線を想定する。敷地が広範となるため、分かりやすいサイン、標示等を工夫する[4]情報発信・集積ゾーンとの間に位置する市道は、道の駅の敷地から手賀沼に向かう主要な動線となり、カラー舗装、道路周辺の植栽等による歩行者にとって歩きやすい環境の整備を行う
▽賑わいと交流創出ゾーン=[1]手賀沼周辺を中心に市全体の農業活性化及び地方創生に向け、新たな賑わいを創出するゾーンとして位置付ける[2]都市と地域の人が集まり、交流する場として広場を整備する[3]屋外商談会場は屋根付き、半屋外のスペースを整備する