官民共同で技術講習 土木技術 人材育成協が発足 東北整備局や東北建協連ら
[2017/3/2 宮城版]
同局では、東北地方で少子化に伴う人口減少や高齢化が急速に進行し、建設業の担い手不足が深刻となっていることから、昨年12月に「東北復興働き方改革プロジェクト」を打ち出し、技術者・技能労働者のサポートなどに力を注ぐことにしている。
このプロジェクトの一環として、官民共同の技術講習会を開き、同局の職員と建設業従事者の基礎的な技術力を高める。人材育成協は、各団体が協力・連携し、より総合的な知識と技術力を教授するために発足。官民で講師を分担するほか、ワーキンググループで課題の集約や対応策を検討する。
人材育成協の構成員は、同局と東北建協連、日本建設業連合会東北支部(竹浪浩支部長)、建設コンサルタンツ協会東北支部(遠藤敏雄支部長)、東北測量設計協会(安孫子正芳会長)、日本建設機械施工協会東北支部(高橋弘支部長)。1日の初会合は、東北技術事務所で開き、人材育成協の構成員から22人が出席した。構成団体の代表者が覚書に調印し、想定している講習内容(図参照)や、今後のスケジュールなどを確認した。
同局の渡辺泰也企画部長は「今般のi─Conの進展など新しい技術がたくさん出てきている。多種多様な技術を習得するためにもいろいろなことが必要になる。新年度から官民合同の講習会を開催し、担い手や技術者の技術力向上につなげたい」と意欲を示した。
講習会のコース設定にあたっては、同局の職員向けに実施している「基礎技術講習会」を活用する。受講者の負担を軽減するための短期間コースの設定や、複数受講が可能となるコースの集約化なども行う。集約化で空いた時間を活用し、新規の技術講習会を開催するイメージになっている。
新規講習のメニューには、UAVの操作技術講習会やICT活用工事の技術講習会を提案。UAV講習では3Dデータの作成やi─Conによる起工測量など、ICT講習ではICTを活用した施工実習などを想定している。詳細は今後のワーキンググループで詰める。
東北建協連の大槻良子専務理事は「東北6県担い手確保・育成コンソーシアム検討委員会で希望してきた技能者・技術者と行政の意見交換がこの講習会を通じてできあがり、品質確保に向けた官民のネットワーク、信頼関係が築けるものと期待する」と述べた。