工事成績4年分を評価 29年度総合評価の実施方針 業務で管理補助が配置可(東北整備局)
[2017/2/23 宮城版]
東北地方整備局は、29年度の総合評価落札方式に関する実施方針を定めた。工事では、成績評点の評価対象期間を現行の2年から4年に見直すほか、東北復興働き方改革プロジェクトとして、ワーク・ライフ・バランス(WLB)に取り組む企業を評価していく。コンサル業務では、若手の管理技術者に代えて、管理補助技術者の配置を可能とし、配置した管理補助技術者の資格要件で評価することなどを定めた。
工事成績評点の評価期間の見直しは、同局の工事成績を持つ企業が減少傾向にあるため、成績保有者をより多く確保する目的で行う。26年度以降は、発注件数の減少などにより、成績保有者の受注が右肩下がりとなっている。このままでは工事品質の確保にも影響がでるため、評価対象期間を延ばす。
一般土木Cを例に見ると、工事成績の保有者は26年度に318者いたが、28年度は241者に減少している。評価対象期間を延ばすことで、過去2年間の成績がなくても、3年前、あるいは4年前の成績が生かせるようになり、成績保有者の確保につながると見ている。
なお、同局の総合評価では、工事種別の平均成績評定点について、施工能力評価型で最大5点、技術提案評価型で最大4点が加点される。
WLBの取り組みに関しては、厚生労働省の女性活躍推進法に基づく「えるぼし」や、次世代育成支援対策推進法に基づく「くるみん」、若者雇用促進法に基づく「ユースエール」などの認定企業に対し、段階的選抜方式の一次審査で評価する。具体的には「企業の能力等」の評価項目で1点を加点する。
このWLBに関する評価は、本年度に制度を設けたものの、段階的選抜を用いる大型工事(技術提案評価S型など)が余り多くないため、まだ対象案件がない。29年度は一般土木A等級、または建築工事A等級の工事で試行し、30年度までに本格導入する考えだ。
工事の総合評価ではこのほか、ICTを全面活用する企業への配点や、若手技術者(40歳以下)の専任配置への加点、技術資料を簡素化できる簡易確認型の試行などを29年度も継続する。
コンサル業務の総合評価では、若手技術者の登用をさらに促すため、29年度から40歳以下の若手技術者を管理技術者に配置した場合、若手の補佐・育成役として管理補助技術者を一緒に配置できるようにする。
ただし、管理補助技術者の受注可能業務は、東北管内で1件のみとする。入札契約時における技術者の評価は、管理補助技術者の資格や実績が対象となる。
コンサル業務ではこのほか、設計不具合の削減を目的とした社外照査の義務付けや、入札契約手続きの簡素化を目的とした一般競争入札の適用などを試行する。社外照査の対象は、橋りょうや大規模構造物などの詳細設計業務。設計計画などに関する元請の照査結果を別企業の社外照査でダブルチェックし、設計成果の品質を向上させる狙い。