新清掃工場の基本計画 いちいのホール空調改修に1.3億円(野田市新予算)

[2017/2/24 千葉版]
 千葉県野田市の鈴木有市長は23日に会見を開き、29年度予算案の概要を明らかにした。それによると一般会計予算額は、470億6000万円(前年度比6.1%減)。新清掃工場の施設整備基本計画を策定するための業務委託料を確保したほか、1億3160万円を投じていちいのホールの空調設備を改修する予定だ。

 予算総額は、一般会計に6つの特別会計の合計額399億8100万円(同3.3%増)、水道事業会計の予算額46億3980万2000円(同3.2%減)を加えた916億8080万2000円(同2.1%減)となっている。

 一般会計のうちの普通建設事業費は、31億6414万5000円(同49.4%減)。国の2次補正予算を活用し、全小学校(20校)、幼稚園(3園)の空調設備設置工事費を28年度12月補正予算にて措置し、29年度に繰り越して工事を実施することなどにより、大幅なマイナスとなっている。

 29年度予算は、鈴木市長が編成した初の通年予算。前市長の施策を継承しながら、市民に約束した「元気で明るい家庭を築ける野田市」を目指し、教育環境整備を中心に、学童保育所の過密解消等の公約実現に向けた施策を可能な限り盛り込んだ。この結果、一般会計の予算規模は30億5300万円の減少。28年度当初予算に引き続き、前年度予算を下回った。

 一見すると大きな減だが、国の第2次補正予算に伴い28年度へ予算を前倒しした上で繰越措置をした小学校・幼稚園空調設備設置事業、中学校トイレ改修事業、連続立体交差事業、道路・河川等改修事業、臨時福祉給付金給付事業の総額42億2500万円を加えた実質的な予算規模は、512億8500万円となり、28年度比較で11億7200万円(2.3%)の増となる。

 主な予算内容は次の通り(単位:万円)。▼は新規事業。
【合併関連事業】
 ▽連続立体交差事業(9億4080、一部28年度前倒し含む=東武野田線の愛宕駅と野田市駅を含む約2・9km区間の鉄道を高架化することにより、11カ所の踏切を除却し、交通渋滞の緩和や安全性の向上、東西市街地の一体化を図る。29年度は、事業区間全線の仮線切替え及び愛宕駅東口仮駅舎を築造し東口改札を開設、駅利用者の利便性の向上を図る。県事業負担金
 ▽愛宕駅西口駅前広場整備事業(2110)=連続立体交差事業と整合を図りながら愛宕駅西口に約3100平方mの駅前広場を整備し、愛宕駅東口と併せて公共交通機関の利便性を図る。29年度は駅前広場の実施設計委託、用地取得等を実施する
 ▽中野台中根線道路整備事業(660)=連続立体交差事業に合わせて、交差街路としての影響範囲区間(250m)を整備する。29年度は物件調査等を行う
 ▽船形吉春線道路整備事業(3億0190、一部28年度前倒し含む)=市の外郭環状線の一部として、船形地先の県道我孫子関宿線から吉春地先の国道16号交差点を結び、都市計画道路山崎吉春線と接続することで、市街地への通過交通の流入を抑制し、交通渋滞の緩和を図る。また、関宿地域と野田地域北部を結ぶ利便性の高い道路として、新市の一体性の醸成及び均衡ある発展を図る。29年度末に完成予定。29年度は車道舗装工事、信号機新設・移設工事等を実施する
 ▽阿部沼第1排水区六丁四反水路調整池整備=計画区間の水路改修は完了したが、更に関宿高校前及び北側の2カ所に雨水調整池を整備し、東宝珠花市街地から木間ヶ瀬地先の雨水を速やかに排除し、道路冠水等の被害解消を図る。29年度は関宿高校前調整池の築造工事を実施する。完成時の貯留量は、2つの調整池を合わせて6万m3。35年度の完成を目指す
 ▼阿部沼調整池事業認可設計委託=これまで整備してきた区域の上流部の浸水対策に新たに取り組む。当該区域は、公共下水道の計画区域であることから、下水道事業(雨水)として実施する。29年度は、3カ所の調整池を整備するための事業認可設計を実施
 ▽都市計画道路整備事業(3360)=[1]堤台柳沢線:用地費・委託費・役務[2]中野台鶴奉線:委託費・工事費・用地費・補償費(県事業負担金)[3]東宝珠花柏寺線:委託費・工事費・用地費・補償費(県事業負担金)[4]今上木野崎線:委託費・用地費・補償費(県事業負担金)
 ▽生活道路等整備事業=次木地先の道路排水整備等を実施。29年度は排水整備工事等を行う
 ▽中学校トイレ改修事業=[1]トイレ改修工事(一部28年度前倒し含む):福田中学校、川間中学校、岩名中学校。岩名中学校は、ふるさと納税を活用した30年度実施予定分の前倒し[2]トイレ設計委託:関宿中学校、木間ケ瀬中学校
 ▽自治会集会施設整備事業補助金(1200)=宿自治会が実施する自治会集会施設改修工事に対する補助
 【浸水対策の推進】
 ▽排水整備事業=20年度の記録的な降雨(ゲリラ豪雨)及び27年9月の関東・東北豪雨による浸水被害対策の一環として、水路等を計画的に改修[1]阿部沼第1排水区六丁四反水路調整池整備[2]蕃昌宮前排水路整備事業(一部28年度前倒し含む):25年度から防災・安全交付金を活用し、七光台小学校付近の冠水対策事業を実施している。29年度は延長215mの排水整備工事及び電柱移設を実施する。31年度の完成を目指す[3]その他に中里込角、関宿台町、谷津、尾崎台の排水整備を実施
 【区画整理の推進】
 ▽梅郷駅西土地区画整理事業(1億0000)=物件補償、区画道路築造工事等を実施
 ▽次木親野井特定土地区画整理事業=28年度に換地処分を完了し、29年度は、清算金の徴収及び交付に関わる書類作成業務委託料を計上
 【福祉施策の充実】
 〈子育て支援〉

 ▽保育所空調設備改修事業=全保育室等に設置した空調機器のうち、初期に設置した空調機器の老朽化により、性能劣化したものを順次更新を行うための実施設計委託及び工事を実施。29年度は、南部保育所、東部保育所、尾崎保育所、花輪保育所、木間ケ瀬保育所
 ▽宮崎第三学童保育所設置事業=28年度の実施設計委託に引き続き、小学校区の過密化解消のため、宮崎小学校の余裕教室を改修して新設するための工事を実施
 【教育施策の充実】
 ▽小学校、幼稚園空調設備設置事業(28年度へ前倒し)=近年の高温度化・ヒートアイランド現象等に鑑み、園児、児童、生徒及び教職員の健康に配慮し、市内小中学校全校、幼稚園全園の普通教室、特別教室、職員室等に空調設備を設置しようとするもの。28年度当初予算に全中学校(11校)分を計上。その後、国の2次補正予算を活用し、全小学校(20校)及び幼稚園(3園)の空調設備設置工事費を28年度12月補正予算にて措置し、29年度に繰り越して工事を実施する。29年度は小学校及び幼稚園の空調設備設置工事を行う
 【都市近郊農業(農産物ブランド化等)】
 ▽基幹水利施設ストックマネジメント事業(5040)=基幹水利施設(揚排水機場等施設)の老朽化等による更新需要に対し、劣化状況等に応じた適切な整備によるライフサイクルコストの低減を図ることを目的として実施。事業実施主体は県で、事業費の50%を国が補助し、県と地元がそれぞれ25%負担するが、地元の負担分25%は、改良区と市で按分する。29年度は目吹揚排水機場の電気設備整備、ゲート及び電動機整備、船形揚排水機場の除塵機の一部整備を実施する
 ▽関宿落堀水質改善事業(1290)=関宿落堀の水質改善を図るため、環境用水の導入を目指す。26年度にかんがい期に桐ケ作排水機場の取水時間を延長し取水量を増加させるとともに、水路の浚渫や圧送ポンプの整備、既存パイプラインの改良工事等を実施。27年度からは、かんがい期の取水時間を延長するとともに、非かんがい期においても試験通水を実施し、水質分析調査や生き物調査等も行いながら環境への影響を検証。29年度も継続して実施
 【消防力の強化】
 ▽消防団分団器具置場建設=地域防災の拠点となる消防団の器具置場について、第18分団1部及び第20分団2部の新築工事を実施
 【その他(諸般の案件)】
 ▽いちいのホール空調設備改修事業(1億3160)=空調設備の機器や配管等の劣化が進んでいることから、市のファシリティマネジメントの基本方針に基づき、空調設備を現在の蓄熱槽方式から個別空調方式にする改修工事を実施し、施設の長寿命化を図る
 ▽新清掃工場建設事業(6590)=新清掃工場建設候補地周辺の大気質、水質、騒音、振動及び臭気等の現況調査を実施し、その後、予測・評価を行う。併せて施設整備基本計画を策定するための業務委託料を計上

Comments are closed.


Powered by WordPress, WP Theme designed by WSC Project.