松尾小改築で基本設計 井之内地区の築山整備着手(山武市新予算)
[2017/2/22 千葉版]
千葉県山武市(椎名千収市長)は、21日に開会した市議会定例会に、29年度の一般会計当初予算案を提出した。同会計の総額は221億3600万円で、前年度当初比3.4%(7億3800万円)増。同会計に占める普通建設事業費は、35億1277万円で同17.5%増と2ケタ増となる。新規事業では、31年度の統合が計画されている松尾小学校(松尾町猿尾383)の老朽化した校舎の改築へ基本設計に着手する。
一般会計と普通建設事業費の増額は、いずれも蓮沼タワー(蓮沼交流センター、いずれも仮称)の整備が本格することに伴うものが大きい。
継続事業である同施設の整備には2カ年目の29年度、14億2222万円を計上。28年11月の入札で落札者となった畔蒜工務店(横芝光町)が、年内の完成を目指して施工中だ。
同施設は、RC造5階建て延べ3192平方mの構造・規模で計画。平常時は公民館や体験型観光施設、健康増進を含む地域活性化の場として機能、津波発生時には3方向からスロープや階段にアプローチできる避難施設として建設する。設計は榎本建築設計事務所(千葉市中央区)が手がけた。
基本設計委託料2691万円を計上する松尾小は、児童数が40人余で全校で5クラス編成となった豊岡小学校(松尾町金尾411)と、松尾小の位置で31年度に統合することが、同市の小中学校規模適正化・適正配置基本計画に盛り込まれている。これに伴い、昭和46~56年に建設された松尾小の既存校舎の代替となる新校舎を整備することにした。
同市教育委員会では新校舎の規模について、3棟ある校舎の合計となる約3300平方mの規模確保を目安に、設計の委託に当たってプロポーザルなど企画提案方式を採用、構造などについて自由な提案を求める考えでおり、統合後の31~33年度で新校舎を建設する計画。この期間は松尾中学校の校舎の一部使用や仮設校舎の使用など、仮移転の方法を今後検討していくとしている。
主な事業ではこのほか、津波避難施設の整備に基本設計委託料600万円を充てる。東日本大震災による津波で大きな被害を受けた同市で、津波発生時に避難が可能な高台などがない井之内地区に津波避難施設の整備を計画。施設は長生村などで整備が進められた築山の新設を計画している。
文書などの倉庫として活用を図る旧成東児童保健院(白幡1883-1)は、機能向上を図るため内装改修と、建物本体の長寿命化へ外装も改修を図ることを目的に事業費9219万円を計上。同施設は26年度、しらはたこども園への進入路確保のため一部を解体しており、使用する部分の改修設計をアストニッシュ(千葉市中央区)に委託していた。
28年度12月補正で3カ年継続費を設定した、五木田地先の成東総合運動公園陸上競技場改修事業では2カ年目に2億6930万円を計上。主に砂のトラックを全天候型(タータン)トラックに改善するもので、28年度にトラック下部の砕石敷きなどから着手、29年度中にほぼ完了させる考え。市は改修に当たり市民が使用することを優先、日本陸上競技連盟の公認競技場とはしない考えだが、同市は東京オリンピック・パラリンピックの際に、スリランカ選手団の合宿地となることが決まっている。
建設関連で主なものではこのほか、松尾駅周辺排水対策事業に2500万円を計上。排水路や側溝などの詳細設計を予定している。これまで排水施設や流出抑制施設の基本設計を進めており、27年度の事業計画策定は日本水工コンサルタント(千葉事務所・千葉市中央区)に委託した。
複数年で進めている市道松ケ谷1号線と上横地・松ケ谷線の改良を図る避難道路整備事業には29年度、2億0300万円を計上。また、さんぶの森ふれあい公園多目的グラウンドでは、陸上トラックに芝生の植栽などを行うため、新規に1600万円を計上する。