大栄統合校6カ年74億円 附属病院建設へ造成・出資(成田市新予算)
[2017/2/23 千葉版]
千葉県成田市の小泉一成市長は22日に会見し、24日に開会予定の市議会定例会に提出する29年度の当初予算案を明らかにした。一般会計は前年度当初比1.8%(11億円)減の総額608億円。これに他の8会計を加えた市全体の支出規模は923億6861万円で同1.3%の増。一般会計に占める投資的経費は119億3613万円で、同14.3%の減とする。主なものでは大栄地区に整備を計画する小中一体型校舎建設事業に、合わせて総額74億1674万円の6カ年継続費を設定するのが目立つ。
児童数が減少傾向にある大栄地区(旧大栄町)では、一部の学校で規模が過少になると見込まれていることから、その適正化を図るため地区内にある小学校5校(大須賀、桜田、前林、津富浦、川上)を統合するとともに、老朽化した大栄中学校(伊能125)を解体し、小中一体型の校舎や屋内運動場などを建設、33年度に開校させる計画だ。
新校舎はRC(一部S)造3階建てで延べ約1万平方m、屋内運動場は延べ約4000平方mの規模をそれぞれ想定。設計は27年度の入札で昭和設計(東京事務所・東京都港区)が2カ年で進めている。
継続費は小学校費と中学校費としてそれぞれで設定しており、小学校は6カ年総額40億4900万円(29年度1億7854万円)、中学校は同33億6774万円(29年度1億4945万円)。29年度は雨水調整槽の設置などメーングラウンドの整備や、体育倉庫などの建築工事を予定している。
市ではこれまでにも、下総地区(旧下総町)の小学校4校を統合し、下総中学校(名古屋1214)の敷地内に下総小学校を新たに設けた、施設一体型の小中一貫校「下総みどり学園」を26年度に開校させている。
学校関連ではまた、本城小学校(本城178-1)で31年度に教室不足となること見込み、校舎の増築を計画する。隣接地の用地取得費などとともに基本・実施設計など委託料3028万円を盛り込む。新校舎はRC造2階建て延べ約680平方mの構造・規模とし、普通教室4教室を配置する考えだ。2カ年継続の2カ年目となる久住中学校(久住中央2-1)の校舎増築事業には3億9079万円を計上する。
総事業費に約70億円を見込む既存の公設地方卸売市場(飯仲42-2)の移転再整備に向けては、特別会計で事業費3億8737万円を計上。再整備用地となる県の旧花植木センター跡地(天神峰字道場80-1他、9万4817平方m)での既存施設解体工事費2億円や、用地購入費1億2370万円のほか、29年度は測量や地質調査、事業推進支援業務、集客施設への民間活力導入可能性調査の委託料を盛り込んだ。新施設の基本・実施設計は事業者をプロポーザル方式により公募中で、年度内にも選定される見通しだ。
新規の事業ではこのほか、成田山表参道の銀行跡地を憩いの場として利活用するため、整備工事費977万円を計上。小橋川に架かる郷部大橋の補修に向けては、29・30年度で総額1億8000万円(29年度6000万円)の継続費を設定。併せて定員増と老朽化解消を図る玉造保育園(玉造3-3)の改修事業にも2カ年総額6億1562万円(29年度1億3561万円)を見込む。
また、中台運動公園の体育館アリーナに空調設備を整備するため、29・30年度の2カ年で総額4億0633万円(29年度2540万円)の新規継続費の設定も目指す。
京成本線公津の杜駅前に4月の開学が予定されている国際医療福祉大学医学部校舎には29年度、13億円を補助するほか、畑ケ田地先に整備が計画される同附属病院について、市が発注する造成工事費2億0376万円を計上。同病院を建設する成田国際医療都市機構にも2億円を出資する。現段階で8階建て延べ約7万7000平方mの病院棟をメーンとする同病院は32年度の開院を目指す。
継続事業では7カ年継続の4カ年目となる、温水プールの新設など新清掃工場関連付帯施設整備事業に2億2170万円、いずみ清掃工場の解体と跡地へのストックヤード整備事業に、最終年度の29年度は1億2338万円をそれぞれ計上する。
このほか20~30年度の11カ年継続事業のニュータウン中央線整備事業には、58億円の総事業費に対し、10カ年目の29年度は18億9938万円を計上。道路築造工事費1億2431万円に加え、JR成田線との立体交差部分に工事費17億2000万円を負担金として計上しているのが大きい。古谷建設(横芝光町)が建築主体工事の落札者となった三里塚消防署(三里塚2)の建設工事には6億0095万円の確保を図る。