[2017/2/22　宮城版]
　仙台市は29年度、公共施設のマネジメント推進に134億円を投じる。建築物の長寿命化対策工事だけで約86億円を計上し、市民センターは3施設を改築する。公共施設保全整備基金を活用し、更新費用を盛り込んだことで前度当初より約3割増となった。インフラは道路施設の修繕に計34億円を充当している。

　市は、公共施設のマネジメント推進のための経費を増大し、調査、計画策定の上、順次工事を進める。老朽対策では29年度予算案に約86億2205万円を盛り込んだ。公共施設保全整備基金に27億円を積み立て、大規模修繕に加えて改築費用を含めたため、28年度当初を約26億円上回った。

　マネジメント推進の内訳は、建築物が▽大規模施設の改修基本計画策定1億3700万円▽改修事前調査8430万円▽スポーツ施設大規模修繕・改修7億3306万円▽老朽対策86億2205万円──。インフラは▽道路長寿命化34億1916万円▽農業用施設長寿命化3億4242万円──など。

　大規模施設の改修基本計画は12施設で個別計画を策定する。業務は7月に1～2施設をまとめて委託する見込みで、工事費や工期を算出する。28年度は区役所や支所で計画を策定しており、改修対象の施設は、個別の計画を踏まえて年次調整し、選定する。

　事前調査は学校や市民センターを対象に、29～30年度に改修設計を見込む施設でコンクリート性能調査を行う。スポーツ施設では、市体育館で設備・省エネ化に向けた実施設計やシェルコムせんだいの芝張り替え、温水プール改修の事業費を計上している。

老朽対策に86億円

　老朽対策は、公共施設保全整備基金を活用し、設計・工事費に86億円を盛り込む。市民センターは6施設(表のとおり)に15億6201万円、青年文化センター修繕は5億4800万円、小中学校の修繕は計10億8710万円を計上している。

　このほか、コミュニティ・センター大規模修繕は、8施設に3億0600万年を計上し、5施設で修繕工事を見込む。

インフラは38億円

　インフラ施設のマネジメント推進費は▽道路施設の長寿命化推進34億1965万円▽公園マネジメントの推進4300万円▽道路不具合通報アプリ構築200万円▽農業用施設の長寿命化3億4242万円──を計上する。

　道路施設の長寿命化には、道路施設別の修繕計画に基づき、橋りょうは約50橋の修繕に約18億円、舗装が約15億円などを盛り込んでいる。トンネルは、将監トンネルの修繕工事に着手するほか、丸の森、瞑想の松、さかのした、馬越石の4施設で改修設計を見込む。

　舗装工事は、地域・交通量に合わせた工法の選定や、設計期間の拡大により舗装構造を厚くすることで延命化を図る方針。32年度までに緊急輸送道路94路線で計画を踏まえた修繕を実施する。

　公園は、30年度に施設改修計画の策定するため、基礎調査を開始する。管理棟やトイレ、フェンス、擁壁など、利用者の安全にかかわる部分の調査費を計上した。大規模公園への民間活力の導入検討は別途、レストラなど飲食店公募に向けた検討を見込んでいる。