普建設費58.7%増 公営住宅・道路整備が押上げ(名取市29年度予算案)
[2017/2/14 宮城版]
会見で山田司郎市長は新年度予算編成について「震災復興事業に重きを置きながらも、公約である子育てや教育関連、市内の均衡ある発展を目指して予算を措置した」と説明した。新年度の一般会計予算案は、震災後、最大となった25年度(475億7300万円)、24年度(410億8800万円)に続く、3番目の大型予算措置となっている。
同会計の投資的経費は、139億3143万円とし、同比22.6%の増。このうち約59%増となった普通建設事業費は101億5796万円で、内訳は補助事業が61億9215万円、単独事業が38億3864万円など。一方、災害復旧事業費は同比24%減の37億7349万円となっている。
大震災で被災したサイクルスポーツセンターは、自転車走路などを備えた運動施設。復旧にあたりさらなる交流人口増加を目指し、温泉を備えた施設として整備を計画している。当初予算には、温泉施設整備事業に掘削工事費1億7615万円を措置した。28年度には基本設計業務をオオバ(東北支店・仙台市青葉区)に委託。29年度以降は、パブリックコメントなどを実施し、施設の具体化を進める。30年度の完成を目指す。
このほか建設関連事業をみると、閖上小塚原線・閖上四郎丸線などの道路整備事業に計15億6148万円を計上。市民墓地整備事業には1億1260万円を措置。閖上地区の災害公営住宅整備事業には2期分の集合40戸、戸建て76戸の工事費計24億7422万円を盛り込んだ。
災害復旧事業では消防署閖上出張所など消防施設復旧にかかる設計費など2309万円、閖上体育館の設計費など2118万円を計上する。
なお一般会計と特別会計6事業、企業会計2事業を合わせた総額は590億8190万円。22日開会の2月定例会に新度予算案など34議案を提出する。
名取中央スマートIC
3月18日開通
同日、山田市長は会見の中でNEXCO東日本仙台工事事務所と連名で、「仙台東部道路名取中央スマートインターチェンジ」が3月18日に開通することを公表した。
同スマートICは、国道6号の仙台東部道路仙台空港IC~名取IC間に設置され、24時間両方向のフルインター形式。総事業費は約27億円。山和建設(本社・山形県西置賜郡)が施工を担当した。
近接地には仙台空港北側の産業ゾーンや同空港臨空都市「なとりりんくうタウン」、大型ショッピングモールなどもあり、経済復興や物流拠点の効率化などが期待される。