雨水ポンプ場に224億円 一般会計 投資的経費が819億円(石巻市29年度予算案)
[2017/2/10 宮城版]
石巻市は9日、29年度予算案を公表した。一般会計は1891億1000万円で、前年度より324億4000万円(146%)の減となった。これに11の特別会計と病院事業会計を加えた総会計は2799億1375万円で、同97%減。一般会計、総会計とも復旧・復興予算が初めて計上された24年度以降で最小規模となった。投資的経費は819億2200万円で、同302%減。下水道事業特別会計では、雨水排水ポンプ場整備事業の業務委託費に224億6800万円を計上した。
29年度の下水道事業特別会計は、376億3116万円で、同839%の大幅増。震災の地盤沈下に伴う冠水被害を解消するため、11カ所に雨水排水ポンプ場の整備を計画しており、日本下水道事業団(JS)に委託して順次工事を進めている。まだ完成したポンプ場はなく、これからが工事の山場となる。
市とJSは、26年度に上限額800億円の基本協定を締結。当時は30年度までの期間だったが、1年延長している。年度ごとに工事協定を結び直す。
29年度予算案の一般会計は、歳出総額を見ると、各種事業の進捗により、復興公営住宅の整備事業費や小中学校の災害復旧費などを中心に大幅な減額となった。復興関連を除く通常分は、市営住宅管理運営基金への積立金や教育施設等の改修事業費が増額したことで、前年度を上回った。
投資的経費の内訳は表の通り。補助事業は、半島部の低平地整備事業や、街路整備事業が増加する一方で、新市街地の宅地供給が進み、前年度を275億8000万円下回った。単独事業は、複合文化施設整備事業の設計費や総合体育館の改修費を盛り込んだことにより、前年度を1億6200万円上回った。
一般会計の主な事業では、防災集団移転促進事業に223億6942万円、復興公営住宅整備事業に154億4620万円、漁業集落防災機能強化事業に21億9579万円、渡波稲井線の街路整備事業に25億7004万円、釜大街道線の街路整備事業に16億0498万円を充てるなどした。
債務負担では、復興公営住宅整備事業に29~30年度で限度額98億3700万円を設定。継続費では、津波復興拠点整備事業に29~30年度で9億2740万円を組んだ。