気仙沼2カ所でメガソーラー 系列2法人が建設 6月までに着工(県森林審)

[2017/2/9 宮城版]
 県森林審議会の本年度2回目の森林保全部会が8日、県庁内で開かれた。気仙沼市など県内3カ所で計画されている大規模太陽光発電所(メガソーラー)の建設計画について、県知事から諮問された林地開発許可申請3件に対する審議を行った。3カ所のうち2カ所は気仙沼市本吉町内に整備するもので、合同会社気仙沼漆原(東京都港区)が発電規模24.4メガワット(MW)のメガソーラーを、合同会社気仙沼泉沢(同)が同20MWのメガソーラーを建設する。

 気仙沼市の2カ所でメガソーラー建設を計画する「気仙沼漆原」と「気仙沼泉沢」は、もとに太陽光発電事業を営むリニューアブル・ジャパン(東京都港区)を親会社とする系列会社。両社は県に対し、昨年9月中に林地開発許可申請を提出した。

 気仙沼漆原が計画しているメガソーラーの場所は、気仙沼市本吉町漆原地区の事業区域面積約62.1ha。区域より500mほど南側を国道346号が東西に通り、馬籠小学校などがある。なだらかな斜面の山林で、同社はここをA工区25.1ha、B工区19.4ha、C工区17.4haに分けて整備する。最終的に約46.1ha分の用地を確保する。

 工事では切土140万5375立方m、盛土139万5595立方mを予定。防災調整池を計10カ所に設け、うち9カ所は水深が20cm程度と浅い「オンサイト調整池」とする。太陽光パネルはオンサイト調整池内にも設置する。水害対策として暗渠排水路や側溝を整備し、雨水は馬籠川に放流する。発電量は一般家庭7300世帯分の電力使用量に相当する24.4MWを見込む。

 一方、気仙沼泉沢が計画するメガソーラーは、気仙沼漆原の事業地から東側に3kmほど離れた同市本吉町泉沢に建設する。事業地から1kmほど東側に、津谷川の河口部がある。同社は事業区域面積約38.9haを対象に、うち約28.5haを開発する。

 切土量は106万7465立方m、盛土量は105万9271立方mを予定。6カ所に防災調整池を配し、このうち3カ所はオンサイト調整池にして太陽光パネルを設置する。発電規模は一般家庭6000世帯分に相当する20MWを見込む。

 両社とも土地を気仙沼市から借り受ける。売電に関しては、東北電力から系統連結申請の認可を受けている。事業期間は20年間。事業終了後は施設を撤去する予定だが、気仙沼市との協議次第で事業を継続する場合もある。造成に関する設計業務は田端測量が担当している。

 同部会は両社の申請を承認し、県知事に答申することにした。両社によると、今後、開発許可の手続きを済ませた後、5月~6月ごろに着工する考え。工期として、樹木伐採に1年、用地造成と機械設備設置に1年6カ月程度を見ている。今のところ31年中の操業開始を目指している。今後、施工者の選定を進める。

 両社の親会社リニューアブル・ジャパンは、同市本吉町寺谷地区で27年12月から、発電規模1.1MWの太陽光発電事業を始めた。地元建設業のトータルハウジングから用地を借り受け、トータルハウジングが施工した。太陽光パネルはインリーソーラー社製のパネルを使用している。

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