避難路整備に25億円 市民センターの造成2億円(東松島市29年度骨格予算)
[2017/2/8 宮城版]
東松島市の阿部秀保市長は7日、定例記者会見を開き、29年度予算案を発表した。4月に市長選を控えていることから、29年度当初は骨格予算を編成。一般会計は431億円で、前年度比14%の減となった。このうち、震災分は271億6800万円で同22.4%の減だが、通常分は159億3200万円で骨格にも関わらず同5.5%増となった。主な事業では、避難道路整備事業の工事費に25億2300万円、矢本西市民センターの建設地造成事業に2億1000万円を盛るなどした。
29年度予算は、復旧・復興事業をさらに推し進めるため、被災者支援を最優先に編成した。通常予算は、継続的なハード事業費の計上や、復興事業で整備した施設の管理費増などにより、前年度を上回る規模となった。
一般会計の投資的経費は138億3511万円(同34.7%減)で、うち普通建設事業費が109億0786万円(同33.3%減)、災害復旧費が29億2725万円(同39.4%減)。
普通建設事業費の内訳は、補助事業が101億7521万円(同34.1%減)、単独事業が5億4445万円(同4.1%減)、県営事業負担金が1億8819万円(同47.6%減)。
主な事業を見ると、避難道路整備事業は、立沼浜市線、台前亀岡線、東名新東名線の3路線に予算を付けた。前年度当初より9億5300万円の増額となっている。
矢本西市民センターは、小松字向田地区のロックタウン矢本より東側に新築する。敷地面積は9357平方m。現地は水田のため、6~7月ごろに敷地の造成工事を発注する。29年度内には新築工事の発注も見込まれる。
新センターは平屋1200平方m程度の規模を計画。会議室や事務室、多目的ホール、コミュニティスペースなどを確保する。災害時には地域の防災拠点となるため、太陽光発電設備や蓄電池、マンホールトイレなども設ける。
新築の基本・実施設計業務は国際開発コンサルタンツ(仙台支店・川内市青葉区)に委託しており、年度内にまとめる。同じ敷地内には、別事業で矢本西小学校の放課後児童クラブも建てる。
一般会計にはこのほか、漁港災害復旧事業に9億2283万円、奥松島運動公園の災害復旧に伴う実施設計業務委託費に土木・建築分で1億5542万円、漁港施設の機能保全計画書作成業務委託費に8800万円、赤井南小学校の放課後児童クラブ新築事業に8009万円、橋りょうの補修調査設計業務委託費に6100万円を充てるなどした。
特別会計では、下水道事業特別会計で、雨水建設復興費として、下水道ポンプ整備などの委託費に52億5564万円、雨水管渠等の工事費に44億7305万円を計上している。
一般会計と特別9会計を合わせた29年度当初予算の総額は657億8009万円で、同15.4%減。予算案は9日開会の市議会2月定例会に提案する。会期は3月3日まで。