投資的経費が460億円 防潮堤の工事発注ピークへ(気仙沼市29年度予算案)

[2017/2/4 宮城版]

29年度予算案を発表する菅原市長

29年度予算案を発表する菅原市長

 気仙沼市の菅原茂市長は3日に記者会見を開き、10日開会の市議会2月定例会に提出する29年度予算案を発表した。一般会計は前年度比41.3%増の859億8934万円を計上。このうち投資的経費の事業費は約460億円で、前年度当初の2倍近くに増えている。ただし、前年度は3月に1号補正で復興交付金の473億円を追加計上しており、この交付措置のタイミングが予算規模の違いに影響を与えている。29年度の主な建設事業では、海岸保全施設整備事業に48億8954万円、漁港施設等災害復旧事業に64億0561万円を予算化しており、防潮堤と、それに関連する漁港施設の整備を加速させる。防潮堤の工事は、38カ所のうち、7カ所しか手がついておらず、29年度に発注のピークを迎える。

 29年度予算は、前年度に引き続いて復旧・復興事業を最重要課題に位置付けつつ、地方創生の推進に向けた関係事業費も盛り込み、編成した。一般会計の震災復興予算は前年度比78.9%増の約548億円、通常予算は同3.2%増の約312億円となった。

 主な事業では、街路整備事業の8路線に65億7148万円、災害公営住宅整備事業に65億4076万円、漁業集落防災機能強化事業に42億0144万円、被災市街地復興土地区画整理事業の3地区に39億3714万円、道路整備事業に32億5634万円、観光施設等の災害復旧事業に9903万円を充てるなどした。

 地方創生関連のハード事業では、新規に学童保育センターの整備事業として唐桑と津谷の2か所に6344万円を計上したほか、継続で仮称・気仙沼児童センター整備事業に1億9590万円を配分した。

 一般会計以外の主な29年度予算は表の通り。一般会計と特別10会計、企業3会計を合わせた予算総額は1333億9650億円(同14.0%増)で、大震災後の24年度以降では5番目に大きな規模となる。

 なお、17回復興交付金申請で要求している約155億円の事業費については、復興庁から順調に交付可能通知が出されれば、2月定例会の会期中に追加計上する予定だ。

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