下八山橋を架替え 蔵王町松川の砂防事業で 予備設計を19日入札(県大河原土木)

[2017/1/19 宮城版]
 県大河原土木事務所は、蔵王山噴火に備えた松川火山砂防事業に伴い、蔵王町の下八山橋を町に代わって架け替える考えだ。19日には指名競争入札を開札し、同橋予備設計業務を委託する。新橋の架設場所や架設時期などはまだ定まっていない。松川の火山砂防事業は、33年度の完成を目指して床固工や護岸工などを進めている。

 同町によると、既存の下八山橋は橋長66.06m、全幅3.8mの4径間H桁橋で、遠刈田温泉の一級河川松川に架かっている。町道下八山線の橋で、昭和59年に架設された。

 同事務所によると、県道蔵王川崎線と、県道白石山上線が合流する地点より少し下流側に架かっており、松川の火山砂防事業で流路工を整備することに伴い、整備範囲に重なるため、架け替えが必要になると見ている。

 予備設計業務は、件名が「平成28年度社砂防火A3─203号下八山橋橋梁予備設計業務委託」で、履行期間が3月31日までとなっている。この業務で新橋の架設場所などを検討する。

 松川の火山砂防事業は、全体で20基の床固工、21基の帯工、延長8530mの護岸工を進める計画になっている。15年度に事業着手した。全体事業費は79億9000万円。現時点の進捗率は事業費ベースで44.3%となっている。

 本年度は、昨年9月8日に松川流路工詳細設計業務の指名競争入札を開札し、エイト日本技術開発(東北支社・仙台市若林区)が658万3000円で落札。昨年10月13日には松川流路工工事の一般競争入札を開札し、斉藤工務店(同町)が3億7500万円で落札した。

 同工事の施工延長は遠刈田温泉の375mで、2万9200㎥の土工(掘削)、1基の床固工、784平方mの練石張による護岸工、仮設工を進める。

 松川は、蔵王連峰の水源から、阿武隈川水系白石川に注ぐ延長28.8kmの一級河川。河床には流域から流出・堆積した火山噴火物の土砂が広く分布していたことから、昭和52年より渓流の保全事業が進められた。

 火山砂防事業の対象区間には、遠刈田発電所や橋などの公共施設が点在しているほか、下流部の松川大橋付近に人家が密集しているため、上流部に引き続いて災害の未然防止策を進めている。景観への配慮として、コンクリート護岸ではなく、現地で採取できる玉石を最大限に活用して護岸工や床固工を施工している。

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