公共施設管理計画で基本方針 モデル設定し方向具体案(千葉県柏市)
[2017/1/18 千葉版]
千葉県柏市資産管理課は17日、公共施設等総合管理計画「基本方針編」(案)についてパブリックコメント手続きを開始した。442の建築物系施設(合計延べ床面積78万8067平方m)、上水道、雨水排水施設、下水道、道路、公園のインフラ系施設を対象とするもので、2月6日まで意見を募集する。第1期計画期間内の10年間に、3つの基本方針に基づき公共施設等の最適化に向けた取組を推進するほか、施設や地区を選定の上でモデル事業を実施し、今後の取組に向けた方向性の具体案を提示するとしている。
同計画の基本方針編では、施設白書編で明らかとなった▽少子高齢化に伴う人口減少社会の到来▽財政状況から予測される更新費用の不足▽利用者が少ない施設・運営コストが高い施設が存在▽地域ごとの異なるニーズへの対応──の課題を解決するため、総量の抑制や長寿命化といった取組を積極的に推進して、財政規模及び社会状況に応じた形での総合的・計画的な公共施設等の管理を図る。
28~67年度の40年間を見通し、施設の耐用年数も視野に入れた中長期的な観点で検討。このうち、28年度から10年間の第1期計画期間では、市の第五次総合計画の基本構想の計画期間と整合性をもって、着実に実行につなげる。また、時代の変化に伴って新たに生じた課題等に柔軟かつ臨機応変に対応するため、以後10年間ごとに第2~第4期の計画を定める。
建築物系施設では▽施設機能の再編と総量の縮減▽計画的な保全による施設の長寿命化▽財産の活用と管理運営費の縮減──を基本方針に掲げ、人口推計に基づく人口動態を踏まえて40年後の保有量を試算し、現在と同等の保有水準とすることを前提に、13%の縮減を図る。
インフラ系施設の基本方針は▽安全性の確保と中長期的なコスト管理▽優先順位を定めた効率的な整備▽民間ノウハウ及び新技術の活用。市民生活や地域経済を支える重要な施設であるため、計画的な保全による長寿命化を実現し、施設の安全性の確保と財政負担の抑制・平準化を図るとしている。
このうち施設機能の再編と総量の縮減では、施設の統廃合・再編により、市の保有する施設の総量を延床面積・施設数ベースで縮減し、財政負担の縮減を図るため、公共施設の状況について品質(老朽化の状況)、供給(利用状況)、財務(コスト状況)の3つの観点から、モニタリングを実施。
公共施設で提供される行政サービスについて[1]国の制度等で定められており行政が実施しなければならないものか(義務的視点)[2]民間でも実施可能か(市場的視点)[3][3]市の総合計画で位置づけた将来像の実現や重点目標の達成に資する取組・事業か(政策的視点)──の視点で仕分けを行い、優先順位付けを行う。
取組の考え方・手法としては施設機能の再編に向けて、集約化・複合化・転用を推進。存続施設の効率化では、必要と考えられる機能の廃止は原則として行わず、機能の集約と複合化による施設の有効活用を図る。
これらにあたっての留意事項として、必要に応じて新たな施設整備を行う際には,機能を精査して最小限の面積にとどめ、面積拡大分の代替施設の縮減や効率性向上などにより、施設総量及び財政負担への影響を極力抑制することを挙げた。
また、地域の人口動態や立地適正化計画等との整合を図り、各地域の特性を踏まえた施設の再編を行うほか、統合・再編の推進の際は市民の合意形成を図り、市民ニーズが高く行政サービスとして必要不可欠な施設については大規模改修時等に快適で魅力ある施設に再整備することを目指す。