荒川の堤防かさ上げ 900m検討 築館登米線と一体化で(県北部土木栗原)

[2017/1/14 宮城版]
 県北部土木栗原地域事務所は、栗原市築館字横須賀曽内で、荒川の堤防と、主要地方道築館登米線の一部を一体的にかさ上げする。近年の豪雨で堤防上の道路がたびたび冠水することから、かさ上げを計画。先月には延長900m区間の道路詳細設計業務を東京コンサルタンツ(東北支店・仙台市青葉区)に委託した。同区間がかさ上げの検討範囲となっており、今後に実際の施工延長を決める。地元説明会では、29年度から4年間かけて工事を進めるイメージを伝えている。

 荒川は、伊豆沼に注ぐ河川で、田んぼの中を北西から南東方向にかけて流れている。近年に多発する集中豪雨では、河川の水があふれ、道路や周辺の田畑へ冠水する被害が生じている。このため、堤防を高くして越水による浸水被害を軽減する。併せて、堤防上の県道を広げ、走行性と安全性を向上させる。

 荒川沿いの築館登米線は、左岸側に位置しており、現況が海抜6.8mの高さになっている。昨年の大雨でも冠水し、通行止めとなった。計画上は河川の水位が海抜7.3mとなるため、そこから1mほど道路を高くすることになる。

 堤防上には現在、土堤の上に高さ60cmほどのコンクリート壁を設けているが、かさ上げに伴ってコンクリート壁を取り払い、通常の土堤に仕上げる。土堤ののり面は、コンクリート張り、もしくは芝生化を検討する。

 堤防上の道路幅員は5.5mの2車線となっているが、一部区間に歩道がないため、50cmほど拡幅して歩道を設ける考え。

 かさ上げと拡幅に向けては、用地測量業務を江合技術コンサルタント(大崎市)に委託した。5日には地質調査業務の指名競争入札を開札したが、低入札価格調査の対象となったため、落札決定に至っていない。

 地元説明会は、昨年10月13日に築館総合支所で開催し、事業に関係する19人の地権者が出席した。地権者からは、う回路をどうするのかといった質問や、ポンプ場の移設などが稲作に影響しないようにしてほしいという要望が出された。

 同事務所は、設計でう回路を検討すると回答。かさ上げが必要な道路延長も設計で決める。29年度予算には工事費の一部を要求している。

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