北上小に22億円試算 29年度で基本・実施設計 北上小を移転(石巻市教委)
[2017/1/13 宮城版]
石巻市教育委員会は、北上小学校の移転新築に向け、29年度で基本・実施設計を一括委託する方針だ。建設予定地に建つ仮設住宅が順調に解消されれば、30年度から建築工事を進め、31年度の完成、32年4月の供用開始を目指す。29年度から3年間の事業費は、現時点で22億0033万円を試算している。建設予定地はもともと多目的グラウンドで、暗渠が残っているため、これらの撤去や造成も必要になる。
3年間の事業費の内訳は、復興基本計画の実施計画によると、29年度に1億7145万円、30年度に10億1444万円、31年度に10億1444万円を試算。今後に設計やボーリング調査を委託して、より詳細な事業費を算出する。
北上小の移転先は、北上町十三浜小田地区のにっこりサンパーク多目的グラウンド内を計画。敷地面積は1万2200平方m。施設規模は、校舎が3500平方m程度、体育館が900平方m程度、プールが700平方m程度を上限に設定している。移転新築に向けては、建設技術研究所(東北支社・仙台市青葉区)に委託して基本構想・基本計画を策定した。
基本構想では、学校施設の整備方針として、防災性の確保、自然エネルギーの活用、県産木材の使用、緑化の充実、周辺公共施設の連携などを掲げている。
新学校の周辺には、高台に住宅の集団移転団地が形成されるとともに、隣接地に復興公営住宅や北上総合支所、こども園、消防出張所などが建つことになる。地元住民とは、これら施設全体の適切な配置や利用の在り方を協議している。
新学校の計画学級数は、普通6、特別支援2の計8学級。配置計画の前提条件には、駐車スペースに30台程度を確保することや、グラウンドに最低でも150mのトラックと50mの直線コースを設けることなどを盛り込んだ。
配置計画では、校舎やグラウンド、遊具施設の配置案に6案を提示している。校舎の配置場所は、A1~3案は北側、B案が東側、C案が西側、D案が南側を選択。階数はA3案とD案が3階建てで、それ以外が2階建てとなっている。この6案を一つに絞った上で基本・実施設計を委託するか、もしくは基本設計の段階で絞り込むかは年度内に決める。
北上小は、大震災後の25年4月に相川小、吉浜小、橋浦小の3校が統合して誕生した。現在は橋浦小の校舎を使用している。