公共事業費5.9兆円 復興特会は6774億円 29年度予算案が閣議決定(政府)
[2016/12/23 宮城版]
政府は22日、29年度予算案を閣議決定した。一般会計は97兆4547億円で、前年度比0.8%増。公共事業関係費は5兆9763億円で、前年度より26億円の微増となった。東日本大震災復興特別会計の公共事業費は6774億円で、同22.9%減としている。国土交通省の予算は、一般会計が5兆7946億円で、うち一般公共事業費が5兆1273億円、災害復旧費等が534億円。いずれも前年度並みの予算規模だ。
国交省の予算は[1]被災地の復旧・復興[2]国民の安全・安心の確保[3]生産性向上による成長力の強化[4]地域の活性化と豊かな暮らしの実現──の4分野に重点化した。
被災地の復旧・復興に向けては、東日本大震災からの復興・創生(復興庁計上)として、インフラの整備に2833億円、被災地の観光振興に46億円、被災地の公共交通に対する支援に14億円、住宅再建・復興まちづくりの加速に2億円を充てている。
国民の安全・安心の確保では、地域での総合的な防災・減災対策と老朽化対策等に対する集中的支援(防災・安全交付金)に1兆1057億円、水防災意識社会の再構築に向けた災害対策や土砂・火山災害対策の推進に4735億円、インフラ老朽化に対応する戦略的な維持管理・更新の推進に4249億円を盛り込むなどした。
生産性向上による成長力の強化では、成長の基盤となる社会資本整備の総合的支援(社会資本整備総合交付金)に8940億円、効率的な物流ネットワークの強化に2529億円を配分したほか、新規でi-Constructionの推進に3億円を計上した。
地域の活性化と豊かな暮らしの実現に向けては、道路ネットワークによる地域・拠点の連携に3693億円、子育て世帯や高齢者世帯が安心して暮らせる住まいの確保に1106億円、省エネ住宅・建築物の普及に223億円、都市機能の集約・再編等によるコンパクトシティ施策の推進に166億円を投入する。
鳴瀬川総合開発が新規
国交省の水管理・国土保全局関係予算では、新規に鳴瀬川総合開発事業の関連経費として13億3200万円が計上された。同事業では筒砂子ダムの建設を計画しており、新年度から建設段階に移行するため、ダム本体の用地調査費や調査測量設計費などを盛り込んだ。
筒砂子ダムは、堤高が105m、総貯水量が4570万立方mの規模で、台形SCG型とする。28年度はダム本体の概略設計業務を日本工営(仙台支店・仙台市青葉区)に委託した。
同事業ではこのほか、既存の漆沢ダムにトンネル洪水吐を新設し、容量を再編することになっている。