大久保地区公共施設再生PFI 優先権者はスターツグループ(千葉県習志野市)
[2016/12/21 千葉版]
PFIによる大久保地区の公共施設再生事業を計画する千葉県習志野市資産管理課は、19日に開いた第4回となる「大久保地区公共施設再生事業提案審査委員会」(委員長・廣田直行日本大学生産工学部建築工学科教授)で、スターツグループを優先交渉権者に選定したと公表した。今月中にも市として正式決定する考えのため、詳細は明らかにしていないが、29年3月にも契約締結する見通し。事業期間中のサービス対価の上限額には67億円(税抜き)を設定していた。
同事業は市の公共施設再生計画に基づくモデル事業として、京成大久保駅周辺の4万5583平方mを対象に、既存の大久保公民館・市民会館や大久保図書館、勤労会館に加えて中央公園を一体的に再生させるもの。事業期間は契約日から51年8月末までを想定している。
実施方針によると、今回の事業で整備するのは[1]北館(図書館・公民館棟)[2]北館(別棟)[3]南館[4]公園[5]駐車場・駐輪場──。このうち[1]には中央公民館とホール、中央図書館の機能を持たせ、さらに[2]、[3]にも要求水準書で示した機能のほか、民間による提案を踏まえた収益施設なども配置するとした。
事業に当たっては、現大久保公民館と市民会館の用地には定期借地権を設定。民間事業者が提案による付帯事業を実施するとともに、公園用地内の現駐車場付近に[1]北館を新築する。また、現大久保図書館は躯体活用型建替及び増築で[2]北館別棟として、同様に現勤労会館も[3]南館としてそれぞれ活用する。
[4]公園についても[1]や[2]、[3]と同じく市が要求水準書に示した施設のほか事業者が提案する施設を整備。現ゲートボール場付近には2層3段の[5]駐車場、公園内に駐輪場を設けるとともに、現大久保公民館と市民会館前の駐輪場は統合・廃止する。
特定された民間事業者は、これらの基本・実施設計から施工・監理、備品調達までを進めて施設を完成させ、以後その維持管理と運営などを手がけることになる。
これらに当たって方針ではPFI手法のうち、[1]北館についてはBTO方式、[2]北館別棟と[3]南館はRO方式を採用。事業期間は設計・建設を32年3月までの3カ年、維持管理・運営を32年4月~52年3月の20カ年とする。設計・施工の要求水準書では、[1]北館は延べ4800平方m以上、[3]南館は2600平方m以上の規模を求めるとした。
今後正式に選定・契約する事業者は、市内に特別目的会社(SPC)を設置した上で、これらの設計・施工、備品調達に加え、維持管理や運営を手掛ける。北館別棟は32年7月ごろ、その他の施設は31年9~11月ごろからの供用(維持管理・運営)を目指す。