南浜に雨水処理施設 事業費 3年間で9億円試算 来年度から整備工事(石巻市)
[2016/12/22 宮城版]
石巻市は、大震災で津波被害を受けた南浜地区に雨水排水処理施設を整備する。ポンプや放流渠(樋管)、流入渠などの施設整備を計画しており、29年度から3カ年ほどかけて工事を進める考え。3カ年の事業費は8億9800万円を試算している。いであ(東北支店・仙台市青葉区)に委託して設計業務をまとめている段階で、今後に事業費が増減する可能性もある。南浜地区には復興祈念公園の整備が計画されており、そちらと調整しながら工事を進めることになる。
雨水排水処理施設は、南浜エリアの雨水を北上川に放流するために整備する。毎秒0.58tの排水能力を持つポンプを設置し、上屋で囲う。樋管は1m×1mのサイズで、延長約44mを河川管理者の国に委託して整備してもらう。流入渠は口径1mの管路を延長110mにわたって敷設する計画になっている。
国と県、市が役割分担しながら整備する復興祈念公園には、池を設けることになっており、雨水排水施設はこの池の雨水調整も担うことになる。そのため、流入渠は池とポンプを結ぶ形で敷設する。
市が今月にまとめた震災復興基本計画の実施計画(29~31年度)では、南浜地区の雨水排水施設整備事業として、29年度に2億0500万円、30年度に3億1300万円、31年度に3億8000万円を投じることになっている。
公園造成を年明け発注
同市は、石巻南浜津波復興祈念公園の整備に向け、年明けに第1弾目の造成工事を発注する。同公園の全体面積は38.8haで、うち16.6haに市が広場3カ所や駐車場2カ所、緑地、園路、池などを整備する。
広場の整備面積は1カ所が1.9ha、残り2カ所が0.6haずつとなる。駐車場は東西の2カ所に0.2haずつ確保する。0.2haの市民活動空間なども整備する。公園整備の実施設計業務は、ドーコン(東北支店・仙台市青葉区)・愛植物設計事務所(東京都千代田区)JVに委託した。
実施計画では、同公園の整備事業に29年度からの3カ年で14億8640万円を投じることになっている。32年度の工事完了を予定する。