水道部新庁舎 延べ4000平方mで基本計画(千葉県柏市)
[2016/12/17 千葉版]
庁舎再整備の検討を進めている千葉県柏市水道部は16日、庁舎再整備基本構想(概要)を公表した。約4000平方mに設定した必要延床面積を基準の1つとして、候補地を選定しており、現在地(第1水源地)に建て替える。今後は、延べ4000平方mをもとに基本計画を29年3月までにまとめ、29~30年度の2カ年で基本・実施設計を完了させる予定だ。新庁舎には30年度に着工し、32年度の供用開始を目指す。
現水道部庁舎(千代田1-2-32)は、昭和45年にポンプ棟が竣工し、同50年に配水池、同53年に事務所棟が増築された施設。築後約40年が経過しており、平成14年度の耐震診断では、耐震化が必要との結果が示されている。
耐震化とともに、老朽化の進行、バリアフリー・ユニバーサルデザインの未導入、災害対策本部機能や応援事業体受入れスペースの設置、書庫・倉庫の不足などについても、抜本的な対策が必要な状況であり、災害に強く効率的な事業経営の拠点の整備を目的とし、27年度から庁舎再整備の検討を進めている。
28年度は5月11日に開札した制限付き一般競争入札で、同部庁舎再整備基本構想・基本計画策定支援業務を東京設計事務所(東京都千代田区)に委託。整備手法等の検討・策定、基本構想・基本計画の立案などに係る作業及び支援を29年3月31日までの業務期間で行うこととしている。
基本構想では、必要延床面積について、業務効率向上の視点から現在の水道部(直営)の機能が集約され(浄水課も同じ建物に配置)、将来の他部署との統合も考慮した面積を含むものとした。また、現在委託している料金センター等の機能分の面積も確保する。
使用面積の算定は、平成22年度地方債同意等基準運用要綱の別紙2庁舎建設事業費の標準的な事業費について(総務省)を用いて約4000平方mを必要延床面積と設定し、候補地選定の基準の1つとした。必要延床面積の内訳は、水道部2241平方m、他部署統合スペース1487.5平方m、料金センター195.4平方m、修理センター室75平方m。
新庁舎の整備場所として選定することとた第一水源地は、現庁舎のほか敷地内に配水池等が整備されているが、配水機能については現在休止中であるため、これらの施設を撤去することで現庁舎を使用しながら、十分な建築面積を確保し、かつ、新庁舎の整備に必要な延床面積を確保可能。
柏駅や市役所などの中心市街地に近いため、利用者、職員の利便性が高く、非常時においても柏市本庁との連携を取りやすく、応急給水機能の十分な活用が期待できるため新庁舎が有すべき機能を十全に発揮できるとしている。
整備内容をみると、庁舎は「CASBEE柏」において高い評価を取得できるよう環境に配慮した構造とし、効率的な設備や再生可能エネルギー、緑化基準を上回る緑地を備えるものとする。また、庁舎とあわせて応急給水所を整備し、自家用発電設備にて電力を確保できるようにするとともに、災害対策拠点としての会議室や情報収集機能を備える。
なお、庁舎構造などは基本計画で検討を行う。また、CASBEE柏(環境配慮計画書)は、同市がその概要を公表することによって、建築物の省エネルギー対策や長寿命化、周辺のまちなみとの調和、緑化対策など、総合的な環境配慮の取り組みを進めるもの。