小々汐地区3km区間復旧 大島浪板線の現道 29年度から本格工事(気仙沼土木)

[2016/12/15 宮城版]
 県気仙沼土木事務所は気仙沼湾の東岸にあたる気仙沼市小々汐(こごしお)地区で、県道218号大島浪板線の現道復旧を進める。東日本大震災で被災後、応急復旧して通行を確保しているが、本格復旧を保留していた。このほど、同地区を通る約3km区間の道路詳細設計業務を委託。29年度から復旧工事に着手する意向だ。

 県道大島浪板線は、気仙沼市浪板地区を起点に、気仙沼湾の東岸を南北に通る一般県道。現在、大島架橋事業として、新道を高台に付け替えている。

 気仙沼土木事務所が災害復旧するのは、小々汐地区の湾岸沿いを通っている現道の方。大震災で被災し、道路の欠損や交通安全施設の破損などが起きた。

 新道は気仙沼大島大橋を介して大島と陸続きにするなど、復興事業のリーディングプロジェクトとして整備が進んでいる。ただ、新道が完成しても現道は地域にとって大切な生活道路であり、付近に整備された防災集団移転地に通じる道路として今後も利用され続ける。

 小々汐地区では震災後、防災集団移転地の造成や防潮堤整備が最優先で進められた。湾岸沿いの狭あいな現道を工事車両が頻繁に通るようになったため、交通規制ができない状況だった。同事務所は現道の復旧を応急復旧にとどめ、本格復旧の時期を見定めていた。防災集団移転地の造成や防潮堤整備が一段落したため、ようやく本格復旧の時期を迎えた。

 本格復旧では現道約3km区間で、舗装の打ち換えやガードレールなど交通安全施設の再設置、側溝の復旧などを実施する計画。このほど、小々汐ほか道路測量詳細設計業務委託(その1)をニュージェック(東北支店・仙台市青葉区)に1340万8000円で、同業務委託(その2)を大日本コンサルタント(東北支社・仙台市青葉区)に1360万円で委託した。

 その1の業務延長は1.5km。その2は1.46km。いずれも路線測量を行い、縦横断計画に基づく道路設計や図面作成などを委託している。履行期間は29年3月30日まで。同事務所は本年度末までに業務成果を受け、29年度に本格的な災害復旧工事を発注する考え。

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