ほ場整備に30ha編入 29年度で事業計画変更 大崎千刈江の区画整理(県北部振興)
[2016/12/10 宮城版]
県北部地方振興事務所は、大崎市千刈江地区の経営体育成基盤整備事業で、新たに30haの農地を大区画化する考えだ。29年度に事業計画を変更して30haを編入し、早ければ30年度から2期整備として工事を進める。事業期限は現在の31年度から3カ年ほど延長する見通し。22日には、事業計画の変更に必要な基本設計業務を指名競争入札で委託する。
千刈江地区は、大崎市の西部に位置し、東北自動車道古川インターチェンジの東側に展開する南北に細長い水田地帯。地区内の水田は、明治末期から大正初期にかけて10a区画に整理された。用排水路が兼用で、水田の水はけが悪く湿田状態にあった。農道も狭く、ほ場が分散されていることから、区画整理事業による改良が計画された。
1期事業は124.4haの区画整理で、22年度にスタートし、現在までに92%が完了した。面整備は現在進めている工事で年度内にほぼ終わる見通し。当初の事業期間は27年度までで、総事業費に11億8700万円を試算していた。
27年度には事業計画を変更し、事業期間を31年度までに延ばすとともに、区画整理の面積を125ha、総事業費を14億円程度までに増やした。1期事業では今後、約30ha分の暗渠排水工を発注し、全体完成を目指す。暗渠排水工では地下にパイプを埋める。
2期工事は、新たに編入する30haの区画整理と、千刈用水路の入れ替えを一体的に進める。区画整理では、ほ場を1ha区画に大区画化するとともに、用排水兼用の土水路から、用水路をベンチフリューム、排水路を排水フリュームに造り直し、道路も幅5m(うち砂利敷き4m)に整備し直す。フリュームの幅は場所によって3m~5mになる見込み。
千刈用水路は、幅が2m程度の土水路で、延長1.5km区間を対象に、1m幅程度のフリュームに造り直す。22日に指名競争入札を開札する千刈江地区の測量設計業務では、千刈用水路のうち500m区間の詳細設計と、30haの区画整理に必要な基本設計をまとめる。履行期限は29年3月28日。
同事務所によると、1期事業が計画された段階では、大崎市の宅地開発エリアに今回編入する30haの土地も含まれる可能性があったため、事業範囲から外した。ここにきて宅地開発の見込みがないと分かったため、30haの農地を追加で区画整理することにした。