松本産業が進出第1号 黄金山団地に3000平方m工場 30年1月着工予定(涌谷町)

[2016/12/8 宮城版]
 初の工業団地を造成し、企業誘致を進めている遠田郡涌谷町に、自動車部品製造メーカーの松本産業(本社:三重県津市、松本周二郎代表取締役)が進出することが明らかになった。同社は黄金山(こがねやま)工業団地が完成した後、敷地1haを取得する。ヘッドライトなどの部品を製造する3000平方m規模の工場を建設する予定だ。

 企業誘致による産業活性化を目指している涌谷町はこれまで、水面下で松本産業と工場立地に関する交渉を続けてきた。11月15日に大橋信夫町長が同社を訪れた際、同社は涌谷町への工場進出を決定した。両者は13日に企業立地に関する協定を締結する。

 松本産業は昭和41年4月に創業。自動車のヘッドライトに使うレンズやリアレンズ、ドアフレームに付けるサイドバイザーなどのプラスチック製品を製造している。三重県内では津市と松阪市に工場を保有するほか、インドネシアにも現地工場を保有している。国内での年間売上高は約10億円。自動車部品メーカーのスタンレー電気や川西工業などと取引がある。

 町は現在、町北部の黄金山地区に、同町初の黄金山工業団地を建設中。敷地8.3haを造成し、このうち約4.5haを分譲する。太田組(登米市)が造成工事を請け負っている。11月には水道本管約690mの敷設工事も発注され、戸田設備工業(涌谷町)が1710万円で受注した。

 当初は29年1月末の完成を目指していたが、造成工事の発注で2度の入札不調が起こるなどしたため、工事が遅れている。現時点では29年6月末の完成・引き渡しを予定している。町は今後、街路灯やガードレールなどの交通安全施設の設置工事、消火栓など消防施設の設備工事を発注し、完成に間に合わせる。

 東北での事業拡大を目指す松本産業は、工業団地が完成後、分譲される2区画のうち1ha分の区画を取得する。工場の規模は建築面積3000平方m程度を予定。設計業務などをまとめた後、30年1月に工場の建設に着手する予定だ。同年9月の完成・操業を目指す。

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