穀物エレベーター新設 総事業費14億円を試算 鹿又地区に29年度(JAいしのまき)

[2016/12/2 宮城版]
 JAいしのまき(松川孝行代表理事組合長)は、石巻市鹿又地区にカントリーエレベータを新設する計画だ。貯蔵規模はもみ換算で3700t。総事業費は14億円を試算しており、工事入札でどこまでコストを抑えられるかがポイントになっている。事業費の一部に農畜産物輸出拡大施設整備事業の補助金を活用するため、これから国に計画書を提出し、29年度に着工して完成を目指す。

 石巻圏では、大震災の後に農地集積が進んでおり、農業の担い手確保に向け、個々のミニライスセンターだけでは変化に対応できないため、共同利用できるカントリーエレベーターを設け、経営の費用削減と効率アップを図ることにした。

 カントリーエレベーターの建設場所は、県がほ場整備を進める鹿又地区の一角で、対象面積が2ha。このほ場整備に合わせて土地を確保し、コンテナや資材格納庫、駐車場などと一体的に整備する。JAいしのまきによると、建設地の造成が始まるのは早くても来年2月ごろになる見通し。

 カントリーエレベータの受益面積は、鹿又、蛇田、井内地区の550ha。JAいしのまきでは現在、石巻市内で4カ所、東松島市内で1カ所のカントリーエレベーターを運用している。うち石巻市内の1カ所が市の所有となっている。稼働率は100%を越えているそうだ。

 石巻市は、JAに対する施設整備の補助金として、12月補正予算案に6億0336万円を計上している。29年度に繰り越して予算執行する見込み。

 同市のカントリーエレベーターは、貯蔵量がもみ換算で3037t、受益面積が500ha。大震災後、北上町橋浦字大須の敷地約9000平方mに設け、25年から稼働している。新築工事はヤンマーグリーンシステム(大阪府大阪市)が請け負った。

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