移転跡地検討で初会合 東部地域5地区 29年度に貸与先開始(仙台市)
[2016/11/25 宮城版]
仙台市は23日、エル・パーク仙台で、第1回市防災集団移転跡地の利活用検討委員会(委員長・姥浦道生東北大学准教授)を開催した。市の土地利用の考え方や市民・企業の要望を踏まえ、委員らが意見を交わした。市は検討委の提言を踏まえ、28年度末に賃借の条件などを盛り込んだ方針を決定する。
市は28年2月、防災集団移転跡地の利活用の考え方を公表。「交流とチャレンジ」をテーマに掲げ、28年4月に市民や企業からアイディアを公募した。対象5地区の土地は低額で賃借する方針で、29年度の公募に向けた具体方針を本年度末にまとめる。
検討委では、方針に盛り込む地区別の土地用途、賃借料や期間などの利用条件、市の支援内容を検討する。委員は地元イベント企業や金融関係、ITなどの新技術関連企業の専門家5人で構成し、29年2月までに3回会合を開いて提言をまとめる。
会合には、鈴木美津也都市整備局長や経済局ら職員が出席した。鈴木都市整備局長は「持続性、地域性、安全性などがキーワードになる。委員会での意見は市が責任をもってまとめ、進めていきたい」とあいさつし、自由闊達な発言を求めた。
初会合では、市の跡地利用の考え方をもとに、市民や企業アイディアなどを踏まえた土地利用の方向性について話し合われた。委員からは市の考え方で良いが「借り主となった事業者間ネットワークを構築する仕組みが必要」などの意見が上がった。
対象地区は、宮城野区の南蒲生の2.6ha、新浜の3.7ha、若林区荒浜の38.8ha、井土0.5ha、藤塚14ha。市の考え方は、公園や農地利用以外に新技術の実験フィールドなど新たな可能性により、新仙台の新たな魅力の創出を目指す。
企業アイディアは25件
市は、集団移転跡地利活用のアイディアを募集し、集計結果をまとめた。4月19日~6月30日まで応募し、企業25件、個人36件、団体27年の全88件のアイディアが寄せられた。荒浜地区約38.8haではドッグラン、ロケット試験場、自然災害学習や野外学習施設などがあった。
このほか地区別では、南蒲生で、バーチャルリアリティ施設や観光農園、市民交流スペース、新浜地区はビオトープ、自然学習施設、樹木寄せ植え実験農場、井土地区はスポーツ施設、デイキャンプ場、多目的広場、藤塚地区では花と木々の公園、グラスボート、道の駅など。