年明けにシールド発進 原町東部雨水幹線工事2 浸水対策が加速(仙台市)
[2016/11/18 宮城版]
仙台市原町東部雨水幹線整備工事2のシールドマシンが15日、若林区卸町の発進立杭に投入された。29年1月に口径2000mmのマシンが発進する。都市計画道路東仙台南小泉線の地下を南に1.9km掘り進む。地下鉄東西線卸町駅を通過し、30年3月の完成を目指す。
新たな幹線は、既設管から溢れた雨水を集め、鶴巻ポンプ場に運ぶ。総延長は約6.5kmで、都市計画道路の地下約32mに建設される。総工事費は約84億円。泥水加圧式のシールド工法で、元寺小路福室線と東仙台南小泉線、狐小路福室線の下をかぎ型に進む。
工事は下流側の工事1と上流部の工事2に分けている。工事1は奥村組・大本組・さとう総業JVの施工で26年3月に着工。延長は4.5km。工事2は佐藤工業・深松組・高工JVが、卸町地区の東仙台南小泉線に発進立杭を築造し、延長1.9kmを施工する。
工事1では、卸町東地区に直径11m、深さ約32mの発進立杭を築造した。口径2800mmのマシンを東に前進させ、10月末に延長1900m地点まで達している。29年2月に卸町地区に到達した後、発進立杭まで戻り同4月から下流の鶴巻きポンプ場に向かう。
工事2は26年10月に着工し、10月末に発進立杭の築造が完了。工事進ちょく率は約19%。マシンは年明けに発進し、地下の巨大な礫をマシンのカッターヘッドで砕きながら進む。大和町3丁目交差点の鋭角カーブの難所を進み、30年3月の到達を見込む。
市は、浸水対策事業で、同雨水幹線と導水管を新設し、鶴巻ポンプ場を増設する。いずれも30年3月の完成を目指す。導水管は工事を3工区に分けて進める。11月上旬までに2工区で施工者が決定し、幹線整備後の30年4月以降に着工する。
導水管工事3は、29年上期の発注を見込んでいる。
鶴巻ポンプで設備工発注へ
鶴巻ポンプ場の増設では、排水処理能力を1.5倍増やし、毎秒あたりの施設処理能力を4200立方mにする。別棟の建屋を新築して口径1800mmのポンプ3台を設置する大規模工事を見込む。すでに土木工事に着手しており、工事の進ちょく率は全体の2~3割。
設備工事は、発注時期を調整中で、28年度末か遅くても29年度初めを見込んでいる。本年度は、設備製作と建築工事に着手し同時平行で施工を進める計画で、近く別棟の建屋建設工事を公告する。施設規模はRC造3階建て延べ約1000立方m。工期は6カ月を予定している。