牡鹿と美里で道路検討 本年度に予備設計進める(県)
[2016/11/16 宮城版]
県は、石巻市の牡鹿半島と、美里町の北浦地区で、それぞれ道路新設を検討するため、予備設計業務に着手する。牡鹿は、女川牡鹿線のバイパス(BP)路線として、大谷川浜地区から小積浜地区へ抜ける道路の整備を検討する。美里町では、鹿島台高清水線の遠田橋から南へ延びて国道108号小牛田BPへとタッチする牛飼道路の整備を考えている。
牡鹿半島では、大震災後に路線の再編が行われたものの、それぞれの集落で活気が戻るまでに至っていない。県は新たな道路を整備してアクセスを良くすることで、他の地区から人を呼び込めるようにする狙い。
牡鹿半島の県道を所管する東部土木事務所によると、大谷川浜から小積浜にかけての横軸ラインは、ちょうど半島の形がくびれた位置に重なっており、比較的距離が縮まっていることから、予備設計業務で有効なルートかどうか検討する。現地は山林のため、橋、またはトンネルが必要になる可能性もある。
同業務は、件名が「牡鹿半島内道路測量設計業務委託」で、先月13日に指名競争入札を開札し、日本工営(仙台支店・仙台市青葉区)が1969万7000円で落札した。業務の対象延長は2km。年度内にルートを絞り込み、来年度以降に詳細設計を委託する考え。
美里町の牛飼道路は、JR小牛田駅から遠田橋の方に向かう既存の鹿島台高清水線について、交通量が多く歩道も狭いため、108号バイパスにショートカットできる路線として整備する。工事担当は県北部土木事務所。
同橋の南側には、すでに歩道付きの道路が一部整備されていることから、実際に新設するのは200~300m程度となる見込み。この区間の予備設計業務を17日に指名競争入札を開札して委託する。履行期限は29年3月28日。
新設区間の道路は2車線を確保するものの、歩道が必要かどうかは予備設計で判断する。このほか、側溝や横断BOXの設置なども想定している。県北部土木事務所では、本年度で概算工事費を出し、29年度以降も継続して詳細設計などに取り掛かりたい意向を示している。