県が住生活基本計画案 ゾーン別に方向性(千葉県土整備部)

[2016/11/1 千葉版]
 千葉県土整備部都市整備局住宅課は、第3次(28~37年度)の県住生活基本計画について素案を公表し31日、意見募集(パブリックコメント)の手続きを開始した。理念に「みんなでつくろう!元気なちばの豊かな住生活~次世代に引き継ぐ豊かな地域社会と住まいの実現~」を掲げ、総合目標を「県民の豊かな住生活の実現」とする。県の総合的な計画である「新輝け!ちば元気プラン」などの住生活に関連する諸計画を踏まえ、住生活基本法に基づき県が定める計画で、同プランに示された5つのゾーンごとに、住まい・まちづくりの方向性を提示している。

 住まい・まちづくりの方向性が提示されているのは▽東葛・湾岸ゾーン(千葉市、市川市、船橋市、松戸市、野田市、習志野市、柏市、流山市、八千代市、我孫子市、鎌ケ谷市、浦安市)▽空港ゾーン(成田市、佐倉市、四街道市、八街市、印西市、白井市、富里市、酒々井町、栄町、芝山町)▽香取・東総ゾーン(銚子市、旭市、匝瑳市、香取市、神崎町、多古町、東庄町)▽圏央道ゾーン(木更津市、茂原市、東金市、市原市、君津市、富津市、袖ケ浦市、山武市、大網白里市、九十九里町、横芝光町、一宮町、睦沢町、長生村、白子町、長柄町、長南町)▽南房総ゾーン(館山市、勝浦市、鴨川市、南房総市、いすみ市、大多喜町、御宿町、鋸南町)。

 同計画は、県民の豊かな住生活の実現に向けて、これまでの住生活施策を引き継ぎつつ、住生活の安定の確保及び向上の促進に関する理念、目標及び推進すべき施策の方向性等を定め、施策を総合的かつ計画的に推進するための基本的な計画として策定するもの。

 これに基づき県、市町村、民間事業者、県民、NPO等の多様な主体が、自らの役割と責務を自覚し、連携・協働することにより、次世代に引き継ぐ豊かな地域社会と住まいの実現を目指す。

 目標に対する施策の方向性をみると、居住者からの視点では、若年・子育て世帯、高齢者等が安心して暮らせる豊かな地域社会の実現に対して「若年・子育て世帯が安心して暮らせる地域社会づくり」「高齢者が安心して暮らせる地域社会づくり」「住宅地等におけるエリアマネジメントの推進」。住宅セーフティネットの確保に対しては「住宅確保要配慮者に対する適切な住宅の確保」「災害発生時の被災者に対する住宅の確保」とした。

 住宅ストックからの視点では、次世代にも承継される良質な住宅の形成と空き家の利活用等の推進に対してが「良質な住宅の供給促進と住宅性能の確保」「適切な維持管理とリフォームによる質の向上」「空き家の利活用と適切な管理の推進」、多様な居住ニーズに応じた住宅市場の環境整備に対してが「既存住宅の流通の促進」「賃貸住宅市場の環境整備」「住まいの情報提供・相談窓口の充実」「住生活産業の活性化と担い手の育成」。

 居住環境からの視点については、良好な居住環境の形成にたいして「安全・安心な居住環境の形成」「個性ある美しい住宅市街地の形成」「コンパクトな居住構造の形成」を施策の方向性としている。

 素案に盛り込まれている地域別の方向性の概要は次の通り。
〈東葛湾岸ゾーン(東葛、葛南、千葉)〉
▽東京都心に近接する地理的優位性を活かし、若年・子育て世帯が暮らしやすい魅力的なまちづくりの推進
▽老朽化した大規模団地や分譲マンション、今後急増する高齢者への対応の強化 など
〈空港ゾーン(印旛)〉
▽東京通勤圏拡大・空港隣接の優位性を活かした住まい需要への対応、ニュータウン等における地域活力の維持・向上
▽文化遺産や環境資源等を活かしたまちづくり・景観づくりの推進 など
〈香取・東総ゾーン(東総)〉
▽自然景観や歴史・文化などの地域資源を活用した個性的なまちづくりの推進
▽高齢者が住み慣れた地域に住み続けるための、医療・福祉と連携した住環境整備の推進 など
〈圏央道ゾーン(内房~九十九里)〉
▽アクアラインや圏央道による通勤・通学圏の優位性を活かしたまちづくりの推進
▽多彩な自然環境等やレジャー等の魅力を活かした田園居住・二地域居住等の推進 など
〈南房総ゾーン〉
▽先進医療施設の立地や温暖な気候を活かした高齢者が暮らしやすいまちづくりの推進
▽移住定住を促す豊かな自然環境を活かした、多様なライフスタイルの提案 など

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