3階建て2600平方mで新築 南町海岸に公共施設 来年7月めど着工へ(気仙沼市)
[2016/10/21 宮城版]
気仙沼市は、内湾地区の区画整理事業地内に、南町海岸公共・公益施設(仮称)を建てるため、アール・アイ・エー(仙台支社・仙台市青葉区)に委託して新築の実施設計業務を進めている。施設規模は3階建て延べ約2600平方mを計画。年明けの復興交付金申請で工事費を確保する。工事発注を経て来年7月ごろの建築着工を見込む。
公共・公益施設は、1階がSRC造で約30台の駐車場や事務所など、2階以上がS造でラウンジや軽運動室、研修室などに活用する考えだ。1階の事務室には、大島と気仙沼本土を行き来するフェリーの発券所などを置く。施設内にはこのほか、オープンキッチンなどの配置を検討している。
導入機能は基本的に、震災前にあった勤労青少年ホームの機能を取り入れることになるが、以前のように壁で部屋を細かく区割りせず、オープンスペースの部屋を設けて一般に貸し出し、柔軟に利用してもらう。
建物自体は内湾の海に沿って建てることになる。2階部分は、内湾に整備している防潮堤(傾斜堤)の天端と同じ高さになるため、防潮堤上部から建物内に直接移動できるようにする。建物から幅12m程度の「海の見える道」を挟んだ魚町側には、民間企業の気仙沼地域開発がウォーターフロント施設を建てる。
このウォーターフロント施設と公共・公益施設は、間に設ける陸閘の上部を通って2階部分で行き来できるようにする。このため、両施設の2階前面は、防潮堤上部をウッドデッキ形式にすることで一体的に結びつける。
市は公共・公益施設の実施設計業務を委託するため、9月20日付でアール・アイ・エーと随意契約した。委託額は5090万円。履行期限は29年3月21日。建設地の地盤調査業務は19日に制限付き一般競争入札を開札し、栄和技術コンサルタント(大崎市)が320万円で落札した。
公共・公益施設の建設事業費は、災害復旧事業と、復興交付金の優良建築物等整備事業を活用する。工事費は、年明けに申請する復興交付金で確保できれば、3月補正予算に計上する可能性もある。
建設地の造成は土地区画整理事業で進める。現地は仮設の駐車場となっており、これから既存のくいの引き抜きや盛土を行う。