警察署建替え、統合案 岩沼など4署建替え 整備計画案示す(県議会)
[2016/10/6 宮城版]
県議会9月定例会の常任委員会が5日に開かれた。文教警察委員会で県警本部は、警察署庁舎の建て替えや統合をまとめた「当面の警察署整備計画」の原案を提出した。老朽化が進んでいる岩沼警察署(岩沼市)の旧庁舎や仙台東警察署(仙台市宮城野区)、大和警察署(黒川郡大和町)の庁舎を建て替える方針。大崎市内の古川警察署と鳴子警察署は将来的に統合し、新たに「大崎警察署」として新庁舎を建設する意向だ。
県警本部は警察施設の適正化や計画的維持管理を行う指針として、17年7月に警察署再編整備計画を策定した。それに基づき、18年には小牛田署と涌谷署を統合し、遠田署を新設。現在、若林区内初の警察署として若林署の新設事業を進めている。
現行計画には築館署と若柳署を統合し、35年度を目標に栗原署を新設することまで盛り込んでいる。今回示した計画案では、それ以降の建て替え、統合案についてまとめている。
県内の警察署は計24署。老朽化している庁舎が多く、中でも岩沼署はことし4月時点で築51年が過ぎた。同署のほか、築40年以上経った警察署は▽仙台東署▽塩釜署▽古川署▽若柳署──の4署。老朽化もさることながら、多様な事案への対応に職員が増えているため、既存庁舎が手狭となっている。
県警本部はそれらを踏まえ、整備の方向性として▽老朽施設の建て替えを最優先▽庁舎の狭あい解消▽洪水被害の想定を考慮──の3つを挙げた。また、ひとつの行政区内に警察署が2つあるなどの現状を見直すため、行政区域と管轄区域の一体性も見直していく。
整備対象となるのは岩沼署の旧庁舎、仙台東署、大和署の3署。仙台東署は老朽化している上、東日本大震災の影響で庁舎の一部が傾いている。大和署は昨秋起きた関東・東北豪雨の時に浸水被害を受け、警察機能が損なわれた。管轄区内では工場立地で交通量が増え、富谷市の誕生も控えている。体制を強化する上で、新庁舎の整備が求められている。
また、古川署については老朽化問題のほかに、同じ大崎市内に鳴子署がある。行政区域と管轄区域の一体性を勘案し、古川署の建て替え時期に合わせ、大崎署として2署を統合。適地に新庁舎を建設する。
計画案に示した警察署の建て替え時期は、今のところ未定。県警は12日からパブリックコメントを行い、県民の意見を聴取して同計画を定める。