来年度から公園整備へ 築山や広場、駐車場など 松崎尾崎と南気仙沼(気仙沼市)
[2016/9/28 宮城版]
気仙沼市は、松崎尾崎地区と南気仙沼地区に防災公園を整備するため、用地買収を進めている。公園施設は、多目的広場や築山、駐車場などを配置する。松崎尾崎地区は、公園の整備予定地が津波被害を受けた場所で住宅の基礎などが残っているため、可能ならば本年度で基礎撤去工事に着手する。公園の整備工事は2地区とも29年度から進めたい意向で、31年度までの完成を目指す。
松崎尾崎地区は、公園面積が2.9haで、面瀬川の右岸側に整備する。近くには松岩漁港が位置する。敷地は全体が地盤沈下しているため、海抜1.8mを目安にかさ上げする。現地盤は海抜0.2~0.3m程度。
多目的広場は、面積が1.4haで、子どもたちの野球場や避難訓練の場所として利用できるようにする。土が飛散しないようにクローバーなどを植える考え。災害時には救援活動の拠点や復興資材の置場など活用する。
築山は海抜6mの高さで整備し、津波時の一時避難場所とする。頂上とふもとにそれぞれ、あずまやの配置をイメージしている。駐車場は通路などを含め0.5haのスペースを確保し、舗装する方向で調整している。
南気仙沼地区は、内脇2~3丁目の大川左岸沿いに2.1haの防災公園と、5haの市民広場を一体的に整備する計画。広場と公園を区切る南北のラインとして、都市計画道路の潮見町赤岩五駄鱈線が縦断する。
公園は避難築山と緑地、駐車場で構成し、トイレやあずまやなどを置く。築山は海抜8m以上で、頂上部分に100平方m程度の広さを確保する見込み。都市計画道路を挟んだ向かい側には、多目的広場と駐車場を整備し、復興市民広場とする。
防災公園の整備事業費は、両地区とも4~5億円程度を試算しており、財源に復興交付金を活用する。来月13日に締め切られる16回目の申請で工事費を確保できるよう復興庁と協議している。公園整備の調査測量設計業務は、松崎尾崎をアジア航測(気仙沼営業所・気仙沼市)、南気仙沼をエイト日本技術開発(東北支社・仙台市若林区)に委託した。
工事は来年度から進めたい考えだが、周辺で進む河川などの復旧・復興工事と調整する必要があるため、場合によってはずれ込む可能性がある。