嘉太神ダムを改修 NTCコンで基本計画(県仙台振興)

[2016/9/24 宮城版]
 県仙台地方振興事務所は、黒川郡大和町吉田地区の嘉太神(かだいじん)ダムを改修する考えだ。同ダムは主に土を用いたアースダムで、建設から60年が経過し、老朽化によって洪水吐などのコンクリート構造物が傷んでいる。改修の事業化に向け、12日に基本計画作成業務をNTCコンサルタンツ(東北支社・仙台市泉区)に委託した。本年度に改修の範囲や方法を見極め、29年度で費用対効果を検証し、効果が認められれば事業計画書の作成に着手する。

 同ダムの規模・容量を見ると、堤長101m、堤高27mで、総貯水量が85万4000立方m、有効貯水容量が71万9000立方mとなっている。昭和31年に完成した。

 農業用のダムとして、かんがい用水と洪水調節の目的で設置された。建設当時の受益面積は、大和町と黒川郡大衡村の650ha。施設管理は「吉田川流域溜池大和町外2市4カ町村組合」が担っている。

 洪水吐は、老朽化で部分的にコンクリートが剥がれているほか、クラックなどが入っている。このため、基本計画作成業務で、取水施設(斜樋)とともに改修の基本設計をまとめる。同業務は履行期限が29年3月17日で、委託額が税抜2615万円。

 ダム本体に関しては、27年度に同社が土の種類を把握するためのボーリング調査や、耐震診断を実施。その結果、所定の安全率を満たしていないことが判明したため、改修と併せて耐震補強も検討する。

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