船溜りや防波堤を整備 仙台港向洋で構造検討(仙台技調)
[2016/9/9 宮城版]
国土交通省仙台港湾空港技術調査事務所(仙台技調)は、仙台塩釜港仙台港区の向洋地区に防波堤や船溜り、物揚場などを設けるため、構造検討調査業務を委託する。2日付で同地区の付帯施設構造検討業務について簡易公募型競争入札を公告しており、12日まで参加表明書、10月3日まで技術提案書を受け付け、10月26日に開札する。船溜りなどの付帯施設は、国交省塩釜港湾・空港整備事務所が29年度以降に整備工事を発注することになる。
向洋地区には、延長190mのマイナス14m岸壁を新設し、既存岸壁と合わせて国際海上コンテナターミナルに活用する計画がある。新岸壁の整備に伴う埋め立てで、現在の船溜りが使えなくなるため、代替えとして付帯施設を整備する。
付帯施設は、向洋埠頭の先端部分から沖側に防波堤を設け、その背後に船溜まり、さらにその後ろに物揚場を設置する。船溜りは、工事船舶の係留場所や漁船などに活用してもらう。静穏な水域を確保する必要があるため、波浪防御の目的で前面に防波堤を設ける。
防波堤は延長170mと、延長60mの2カ所を整備する計画。170mのうち、30mは波除堤となる。構造は重力式(ケーソン)や矢板式などを考えているものの、具体的には今回の構造検討調査を踏まえて決定する。物揚場は小型船舶用に延長90m程度を整備する予定だ。
構造検討調査業務の内容は、資料収集整理、設計条件の設定、構造形式の抽出、安定性の照査、構造形式の選定、図面作成など。履行期限は29年3月3日まで。
入札の参加資格は、東北地方整備局(港湾空港関係)から建設コンサルタント等がA等級の認定を受けている単体企業、または設計JV。入札では参加表明者の中から数社を指名し、15日までに通知して技術提案書を求める。ヒアリングは10月5~6日に予定。入札書は同25日まで受け付ける。
向洋地区に設けるマイナス14m岸壁については、同じように構造検討業務の委託手続きを簡易公募型プロポーザルで進めている。プロポではパシフィックコンサルタンツ(東北支社・仙台市青葉区)を契約候補者に特定しており、13日に同社と見積もり合わせして委託契約を結ぶ予定。
29年度予算では、新岸壁の工事費などを確保することが想定される。ただし、岸壁よりも船溜りなどの付帯施設を先に整備する意向だ。