パシコンが契約候補 岸壁190mの構造検討 仙台港区 向洋地区(仙台技調)

[2016/9/2 宮城版]
 国土交通省仙台港湾空港技術調査事務所(仙台技調)は、仙台塩釜港仙台港区の向洋地区に新たな岸壁を整備するため、構造検討業務の簡易公募型プロポーザルを行い、8月31日付でパシフィックコンサルタンツ(東北支社・仙台市青葉区)を契約候補者に特定した。13日に同社と見積もり合わせし、折り合えば委託契約を結ぶ。新たに設けるのはマイナス15m岸壁で、延長が190mとなる。

 向洋地区には、すでに延長310mのマイナス12m岸壁と、その海側に延長330mのマイナス14m岸壁が連なる形で整備されている。新岸壁は、マイナス14m岸壁から沖側に延伸する形で配置し、既存岸壁と一連で国際海上コンテナターミナルに活用する計画。

 新岸壁の構造は[1]矢板式[2]重力式[3]桟橋式──の3タイプを想定。矢板式は、鋼矢板を打ち込んで背後に土砂を埋め立てる。矢板が倒れないように控え工を施す。重力式はケーソンタイプ。桟橋式は複数の鋼管杭を打ち込み、その上に床版コンクリートを構築する。

 構造検討業務は、この3案を比較検討しながら、設計計画や図面の作成、資料の収集・整理、構造形式の抽出、安定性の照査、構造諸元の決定などを行う。履行期限は29年3月3日。業務成果を踏まえて年度内に新岸壁の構造を決める。

 プロポは7月7日まで参加表明書、同13日まで技術提案書を受け付け、8月3~4日にヒアリングした。同社を含む4社が参加申請した。

 今回の業務は、国交省塩釜港湾・空港整備事務所からの依頼を受けて仙台技調が委託する。同事務所は岸壁の整備に向け、環境影響調査業務の簡易公募型競争入札を公告しており、21日に開札する。29年度予算で新岸壁の工事費確保を目指す。

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