石巻漁港背後をかさ上げ 未着手分の用地復旧へ 管路含め設計委託(東部地振)

[2016/8/19 宮城版]
 県東部地方振興事務所は石巻漁港背後地(石巻市魚町)の復旧について、かさ上げが未着手となっている東側の用地約7000平方mの復旧や海水導入管の移設などに着手する。本年度中に測量設計などを固めるため、東北開発コンサルタント(仙台市青葉区)に業務を委託した。水産加工団地内の臨港道路復旧も含め、設計などをまとめてもらう。工事は29年度から段階的に発注する方針。

 震災津波によって大規模な被害を受けた石巻漁港では、魚市場が再建されるなど復旧が進んでいる。背後地の土地や道路のかさ上げも、水産庁の直轄事業などを中心に進展している。

 ほとんどの背後地で復旧が進む中、長浜海浜公園に近い東側の用地は、復興事業での作業ヤードとして使われているため、復旧が未着手となっている。同地は1mほど地盤が沈下した上、復興工事の資材やしゅんせつ土砂を保管したために表面が荒れている。今後の土地利用を見越し、かさ上げ復旧することにしている。

 県は復旧に向け「石巻漁港水産加工団地用地かさ上げほか測量設計業務委託」を東北開発コンサルタントに委託した。同業務は7月21日に一般競争入札を執行し、同社が1296万円で落札した。履行期間は29年3月27日まで。

 同業務では東側の用地に関する測量設計のほか、海水導入管の移設に関する設計もまとめてもらう。土地のかさ上げに伴い、既設管路のルートを変更する必要が出てきた。延長1230m分の管路設計をまとめてもらう。

 東側用地付近を通る臨港道路についても、まだ道路設計が未着手だったため、2路線分40mの設計もまとめてもらう。このほか、近接する渡波漁港4地区で盛土による沈下戻しを行うため、用地のかさ上げ設計も依頼している。

 県は本年度末までに成果物を受けた後、29年度から復旧工事を発注する考え。周辺で進む復興工事の進捗を見極めながら、準備が整った部分から工事に取り掛かる。東側の用地については防潮堤工事の作業ヤードにもなっているため、ほかの部分より着工が幾分遅くなる見込みだ。

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