11月めど工場着工 気仙沼赤岩港に水産加工 地元数社と施工見積り(泰興商事)

[2016/8/10 宮城版]
 水産加工業の泰興商事(岩手県大船渡市)は、気仙沼市赤岩港地区に赤岩食品工場(仮称)の建設を計画しており、11月をめどに着工し、1年ほどかけて完成させる考えだ。建設事業者は、将来的なメンテナンスも考慮し、地元企業から選ぶ意向で、今後に数社と見積もり合わせする。最終的には入札して決定する予定。総事業費は25~26億円で、気仙沼市水産共同利用施設復興整備事業の補助金を活用する。

 新築する工場は、2階建てで建築面積が約4000平方m。1階は加工場で、原料室、煮釜室、パック室、常温倉庫などを設け、2階に従業員の休憩室や食堂などを確保する。容量が2500tの立体冷蔵庫を併設させる。

 建設地は、気仙沼市が造成を進めた赤岩港地区の水産加工団地内で、面積が1万2000平方m。敷地内に50~60台の駐車場を整備する。新築設計は気仙沼建築設計事務所(気仙沼市)に委託した。現在は建築確認申請中。新築工期は12~14カ月を想定している。

 生産するのは主に常温食品の魚肉ソーセージ。原材料はタラやサメ類など。現時点では1日当たり2tの生産量を見込む。レトルト食品の販売も考えている。従業員数は40人程度となる。立体冷蔵庫は営業倉庫で、自社製品だけでなく、赤岩港の水産加工団地に立地する他企業の加工品や原料なども保管する方針だ。

 赤岩港の水産加工団地は、全体面積が19.9haで、うち企業への分譲面積が14区画の約12ha。すでに気仙沼冷凍水産加工業協同組合、高橋水産、モリヤ、超冷の4社が施設整備に着手した。

 年度内には泰興商事と、フジミツ岩商が着工する見通し。フジミツ岩商の施設は、3階建ての水産加工場と鮮度保持施設で、建築面積が約2000平方m。この2社以外には、地元の4~5社が同地に進出する予定になっている。

 残りの3~4社については、市が改めて立地企業を募集する。早ければ今月にも応募手続きを公告する。施設整備の補助については、グループ補助金や津波原子力補助金などを活用してもらうことになりそうだ。

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