工事35、業務3件公告 出島大橋で基本設 360mの鋼中路式アーチ橋(県出納局)
[2016/8/9 宮城版]
県出納局は8日、牡鹿郡女川町の離島・出島(いずしま)に架ける長大橋の基本設計業務など、工事35件、業務委託3件の条件付き一般競争入札を公告した。長大橋の設計業務は「仮称・出島大橋基本設計業務委託」で、橋長360mの鋼中路式アーチ橋の基本設計をまとめてもらう。県は基本設計が完了後、詳細設計と橋の施工を一括して発注する方針だ。
出島大橋基本設計業務委託の入札参加対象は、県の入札資格で建設コンサルタント(鋼構造およびコンクリート)A等級に登録している企業。事業所の所在地に関する条件は特にない。参加条件として▽建設コンサルタントの直前2営業年の年間平均営業実績が予定価格7264万6000円以上▽18年度以降、公的機関が発注した支間長200m以上の橋の基本設計か詳細設計を元請け履行した実績──などが必要。
管理技術者の条件では、総合技術監理部門(鋼構造およびコンクリート)か建設部門(同)、シビルコンサルティングマネージャ(RCCM)鋼構造およびコンクリート部門のいずれかの資格を有し、担当業務数5件以下の管理技術者を配置できることなどを求める。
入札日程は、入札参加資格確認票など書類提出が29日まで。設計図書の閲覧・貸し出しは30日まで。入札書は30、31日に電子入札システムで受け付ける。総合評価技術資料の提出は31日まで。入札には標準型の総合評価方式を適用し、9月1日に開札する。
離島の出島と女川町尾浦地区を陸路で結ぶ「出島架橋事業」は、女川町が町道女川出島線の整備として単独で事業を進める。橋の架設については、県に事業を委託する。女川出島線の整備は、本土側、出島側合わせて延長約2920m。このうち町北東部の尾浦地区と出島西部の海峡に、橋長360mの出島大橋を架設する。
橋の概略設計は女川町が委託し、中央復建コンサルタンツ(東北支社、仙台市青葉区)が担当した。現段階で橋の形式は、橋脚のない鋼中路式アーチ橋を想定。道路幅員は6.5mで、車道5.5m(2車線)を確保する。
基本設計では概略設計をもとに、逆T式橋台2基、アーチ拱台2基など下部工の詳細設計と、上部工の基本設計、施工計画などをまとめる。整備に関し、県は大学教授ら有識者による技術検討委員会を立ち上げて意見聴取する方針で、委託者には同委員会の運営、議事取りまとめなども依頼する。履行期間は29年3月28日まで。
出島大橋の完成は、34年度を目標にしている。県は迅速な事業推進を図る上で、29年度以降に委託を予定している橋の詳細設計業務を、施工と一括して発注する方針だ。