五洋建設と仮契約 朝日町 造船施設用地の造成 みらい造船で工場設置(気仙沼市)
[2016/7/28 宮城版]
気仙沼市は、朝日町津波復興拠点用地造成工事の公募型プロポーザルで、五洋建設(東北支店・仙台市青葉区)を請負企業に選定し、25日付で仮契約を結んだ。契約額は税込24億5160万円。8月初旬に開く市議会臨時会で工事請負の承認を得て正式契約となる。工事では主に、民間企業が建てる造船施設(工場)の用地を造成する。造船工場の整備事業者は、別に募集をかけ、みらい造船(気仙沼市、木戸浦健歓社長)を選定した。同社は工場新設工事の入札手続きを進めており、9月1日に開札して施工業者を特定する。
プロポで発注した造成工事は、1期目が対象で、1万5200立方mの掘削、4万1000立方mの砕石盛土、3400立方mの軽量砕石盛土、1万3500立方mの発生盛土、5万6400立方mの盛土撤去(場内流用)、3万8500立方mの盛土撤去(場外搬出)を予定。
このほか、16万1100立方mの土砂運搬、9210本のドレーン工、深層混合処理と中層混合処理による地盤改良工、262枚の矢板工、延長718mの擁壁工、延長430mの雨水排水工、2750平方mの緑地工などを進める。
2期以降の工事では、市が設ける燃油施設の用地造成として、900立方mの掘削、1200立方mの砕石盛土、5800立方mの搬入盛土、7000立方mの土砂運搬などを行う。2期工事は施工実績などを踏まえ、五洋建設と随意契約する可能性がある。1期を含む全体工期は8月~30年12月。
プロポは6月7日まで参加申込書、7月6日まで技術・施工提案を受け付け、12日に提案者の2社がプレゼンを行い、審査で1社に絞り込んだ。工事の予算額は税込27億5000万円を設定していた。ただし、これは予定価格ではない。
みらい造船は、市から土地を借り受けて造船工場を建てる。工場には199tのサンマ漁船クラスが10隻同時に上架できるシップリフトを造る。工事は9月ごろから造成と並行して進め、30年12月の完成、31年1月の事業開始を予定する。
同社は、吉田造船鉄工所、木戸浦造船、小鯖造船鉄工所、澤田造船所、ケーヤード、石川電装、小野寺鐵工所が出資して27年5月1日に設立した。造船施設整備の総事業費は100億円超を見込む。
市は造船施設の整備に伴い、船舶用の燃油施設として鋼製地上屋外タンクを設ける。重油の貯蔵量は7000kl。コンクリートの円柱で囲み、津波で流失しないようにする。できるだけ早期の工事発注を目指すが、発注形態は未定となっている。