遊水地群の候補地選定 吉田川上流 9月までに業務2件(北上川下流)
[2016/7/6 宮城版]
国土交通省北上川下流河川事務所は、鳴瀬川水系の吉田川上流部に遊水地群を設けるため、第2四半期に候補地選定に向けた概略設計ほか業務を2件に分けて委託する。履行期間はともに約7カ月。遊水地群はこれまで、吉田川、善川、竹林川の3河川が合流する黒川郡大和町落合地区付近に、治水容量200~300万立方mの規模で設ける方針案が示されている。本年度に候補地を絞り込み、29年度以降に事業手法を定めて設計などに着手する考えだ。
候補地選定の業務名は、吉田川上流(善川地区)堤防等概略設計ほか業務と、竹林川上流堤防等概略設計ほか業務。2件とも現地測量、地質調査、築堤ほか概略設計を一括してまとめる。遊水地は堤防で囲んで整備するため、築堤の概略設計という形を取っている。委託方法は簡易公募型プロポーザルを採用する。
国交省では、昨年9月の関東・東北豪雨で洪水被害が起きた吉田川の河川整備計画について、見直し作業を進めている。計画変更案では、計画流量を見直した上で、河道掘削や遊水地群の整備を進めることにしている。
河道掘削は、吉田川が落合地区付近から河口部までの約延長30kmが対象。竹林川でも吉田川との合流部までを掘削する考えだ。今後は9月に同計画の変更を決定する。
吉田川上流地区では、17年度から河川改修事業をスタートさせ、主に河道掘削を進めている。川幅を狭めている丸古渕橋と北川原橋は架け替える。事業完成は30年度を予定する。