仙台港区のコンテナターミナル 向洋地区に岸壁190m 構造検討をプロポ(仙台技調)

[2016/6/28 宮城版]
 国土交通省仙台港湾空港技術調査事務所(仙台技調)は、仙台塩釜港仙台港区の向洋地区に、延長190mの岸壁を整備するため、構造断面の検討業務を簡易公募型プロポーザルで委託する。プロポは27日付で募集手続きを公告しており、7月7日まで参加表明書、同13日まで技術提案書を受け付け、8月3~4日にヒアリングして受託候補者を選定する。新岸壁は同港区の国際海上コンテナターミナルとして活用する。

 向洋地区には現在、延長310mのマイナス12m岸壁と、その海側に延長330mのマイナス14m岸壁が連なる形で設けられている。新岸壁はマイナス15mで、マイナス14m岸壁から沖側に延ばす形で取り付け、既存岸壁と一連でコンテナターミナルに活用する計画だ。

 新岸壁のタイプは現時点で[1]矢板式[2]重力式[3]桟橋式──の3タイプを想定。矢板式は、鋼矢板を打ち込んで壁を設け、その背後に土砂を埋め立てる。矢板が倒れないように控え工も施す。重力式はケーソンタイプ。桟橋式は鋼管杭を何本か打ち込み、その上に床版コンクリートを構築する。

 構造断面の検討業務は、この3案の比較検討で、設計計画や図面の作成、資料の収集・整理、構造形式の抽出、安定性の照査、構造諸元の決定などを行う。履行期間は29年3月3日まで。業務成果を踏まえて年度内に岸壁構造を決める。

 プロポの参加資格は、東北地方整備局(港湾空港関係)から建設コンサルタント等業務がA等級の決定を受けている単体企業、または設計JV。

 仙台塩釜港の港湾計画には、高砂埠頭のマイナス12m岸壁と同14m岸壁よりさらに沖側を埋め立て、水深15m以上の岸壁を整備することが盛り込まれている。今回の業務は、国交省塩釜港湾・空港整備事務所からの依頼を受けて仙台技調が委託する。同事務所は29年度予算に工事費を要求する。

 仙台港区では震災後、大量のコンテナが入ってくるようになり、コンテナヤードの混雑解消が求められている。国際海上コンテナターミナルとして新岸壁を整備することで、外貿コンテナ貨物の需要増大とコンテナ船の大型化に対応する。

Comments are closed.


Powered by WordPress, WP Theme designed by WSC Project.